
車を所有し続けるうえで、車検は必ず受けなければならない大切な検査で、その出費は避けられません。費用としてまとまった金額がかかるため「費用はどのくらいかかるの?」「内訳は?」と、お財布事情も気になりますよね。この記事では、車検費用の相場や内訳を解説するとともに、費用を安く抑えるためのコツや、見積もりのチェックポイントをご紹介します。
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目次
車検にかかる費用とは?

車検費用は、大きく「法定費用」と「車検基本料」の2つに分かれます。
法定費用は、国や保険会社に納めることが法律で義務付けられた必須のコストです。内訳は自動車重量税、自賠責保険料、印紙代の3つで、自動車重量税、自賠責保険料はどこで車検を実施しても金額は一定です。
車検基本料は、整備工場などの業者に対して支払う費用で、業者が独自に設定するため、金額は変動します。これには、法律で定められた57項目を点検する24か月定期点検料や、検査代行手数料などが含まれます。
車検の目的は、車が法律で定められた安全基準を満たしているかを確認することです。検査だけなら法定費用しかかかりませんが、この検査に加え、安全性を保つための整備や消耗品の交換も伴うため、高額になるイメージがあるようです。
法定費用の内訳

まずは車検で必ず必要となる「法定費用」の内容を確認しておきましょう。
① 自動車重量税

自動車重量税は、車両の重量や環境性能、そして新規登録からの経過年数に応じて課税される税金です。自家用乗用車は車検のタイミングで2年分をまとめて納税します。
軽自動車以外の自家用乗用車は、車両重量が500kg増えるごとに税額が増額します。軽自動車の場合は、重量に関わらず税額が設定されていますが、経過年数や環境性能(エコカー減税)によって税額が異なります。
また、自動車重量税の金額は、新車登録時の車検(新規検査)か、二回目以降の車検(継続検査)かによって、適用される税額表が異なります。継続検査の場合、自動車重量税の内訳の一例は上記の通りです。
② 自賠責保険料
自賠責保険料は、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)に加入するために支払う費用です。これは交通事故などで人を死傷させたときの賠償を目的とした強制保険であり、車両(自動原動機付自転車を含む)を運転するドライバー全員に加入が義務付けられています。
車検を受けるためには自賠責保険の契約が必須で、保険期間が車検の有効期間を1日でも長くカバーしている必要があります。継続検査(2回目以降の車検)では、車検の有効期間である2年にあわせて24ヶ月契約とするケースが多いです。自賠責保険料は自家用乗車と軽自動車で金額が異なります。
24カ月の自賠責保険料の例
• 自家用乗用車:17,650円
• 軽自動車:17,540円
③ 印紙代
車検で支払う印紙代は、「自動車検査登録印紙」と「自動車審査証紙」を合わせた手数料です。印紙代の金額は、検査の種類に加え、車検を行う工場が「指定工場」か「認証工場」かによって変わります。継続検査の場合、運輸局長から指定を受けた指定工場で車検を受けると証紙が不要になるため、印紙代は1,200円程度が目安です。一方、車を運輸支局などに持ち込む認証工場での継続検査では、印紙と証紙の両方が必要となり、軽自動車や普通自動車で2,200円から2,300円程度になります。
車検基本料の相場

車検費用は、前述した法定費用と車検基本料(検査料・技術料)の合計に、交換が必要な部品代や工賃を加えた総額となります。法定費用は固定ですが、車検基本料と整備費用は依頼する業者や車の状態によって変動する費用です。

法定費用+車検基本料+整備費用=車検費用
法定費用と基本料の合計金額の目安は上記の通りです。
上記の費用相場は、法定費用と車検の基本料の目安です。これに整備費用が加わります。整備費用は車両の状態によって交換する部品、作業工賃が変わります。
軽自動車は、自動車重量税が一律で安く、部品や消耗品の価格も比較的安価なため、最も費用を抑えやすい車種です。ミニバンやSUVは、車両重量が重いため自動車重量税が高額になりやすく、なおかつ車体サイズも大きいので部品交換費用も高くなる傾向があります。
車検の見積もりをとるポイント

車検費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取って比較検討することもひとつの工夫です。見積もりを比較する際は、総額だけでなく、整備内容の具体的な内訳を必ずチェックすることが重要です。特に、「交換部品・整備作業の必要性」をしっかりと確認しましょう。
業者によっては、まだ使える部品や車検の合否に直接関係ない部品の交換を提案してくる場合があります。見積もり内容をチェックして不明点があれば質問し、その部品交換が「車検を通すために必須」なのか、それとも「安全を考慮した推奨整備」なのかを見極めましょう。また急ぐ必要がない整備項目については一時的に見送ることで、車検時にかかる費用を抑えることができます。
車検費用を安く抑えるコツ

車検費用を安く抑えるポイントは大きく3つあります。1つは、前述した車検の見積もりの内訳、整備内容をしっかりと確認すること、2つ目に早めの予約。そして3つ目は日々のメンテナンスです。
車検の予約は、有効期限(車検満了日)の2か月前から受け付けています。早めに見積もりを取ることで、複数の業者をじっくりと比較検討する余裕が生まれます。また、早期割引制度やキャンペーンを実施している業者もあるので、早めに業者のウェブサイトなどで割引情報をチェックしておきましょう。
日常的なメンテナンスを怠らないことも車検費用の総額を抑えるポイントです。車検では、タイヤ、ブレーキ、オイル漏れの有無、灯火装置、ゴム類の損傷・破れなどが厳しくチェックされます。特に年式が古い車や走行距離が多い車は、経年劣化による部品交換が増えるため費用が高くなりがちですが、普段からオイルやタイヤなどの消耗品を点検しておけば、車検時の交換費用を減らせます。また、ワイパーゴムやエアコンフィルター、切れた電球など、自分で比較的簡単に交換できる部品は、事前に交換しておくことで、業者の工賃や部品代を節約できます。
(まとめ)愛車に愛情を注ぎ、車検費用を賢く分散
車検費用は車の状態によって大きく変動します。法定費用は避けられませんが、早めに見積もりをとり、整備の内容をしっかりと確認し、日頃からこまめなメンテナンスを行うことで、車検時にかかる費用を賢く抑えることが可能です。車の消耗品は適切に交換することで、車検費用を分散できるだけでなく、日々の愛車との暮らしも安全性が保てるはずです。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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