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投稿日:2025.09.19 Fri

更新日:2025.10.22 Wed

車の12カ月点検とは? 必要性、費用、車検との違い

車の12カ月点検とは? 必要性、費用、車検との違い

安全で快適なカーライフを送るには、車の定期的なメンテナンスが不可欠です。中でも「12カ月点検」は、法律で義務付けられた重要な点検です。この記事では、12カ月点検の必要性、車検との違い、具体的な点検内容、費用、そして点検を受ける場所まで、詳しく解説します。

自動車の12カ月点検は法律で定められた義務

自動車の12カ月点検は法律で定められた義務

車の12カ月点検は、道路運送車両法第48条に基づき、自家用車の使用者に実施が義務付けられている法定点検です。車を常に安全な状態を保ち、環境に配慮して走行するための重要なチェックです。この点検の最大の目的は、車の故障を未然に防ぐことにあります。
「義務」と聞くと罰則を心配するかもしれませんが、12カ月点検を受けなくても、特に罰則はありません。これは、公道を車検切れの車で走行した場合に科せられる、懲役や罰金、免許停止といった重い罰則とは異なります。しかし、罰則がないからといって点検を怠れば、予期せぬ故障や事故につながるリスクが高まります。自身や同乗者、そして他の道路利用者の安全のためにも、法律で定められたこの法定点検は必ず受けましょう。

12カ月点検と24カ月点検、車検との違い

12カ月点検と24カ月点検、車検との違い

車の定期的なチェックには、「12カ月点検」、「24カ月点検」、そして「車検」の3種類があり、次のようにそれぞれ目的が異なります。

12カ月点検

1年ごとに実施される法定点検で、主に29項目を点検します。主な目的は、次の点検までの期間、車が安全に走行できるよう故障を未然に防ぎ、部品の摩耗などをチェックして整備・交換することです。

24カ月点検

こちらも車の安全維持のための法定点検ですが、12カ月点検の27項目に31項目を追加した60項目を2年ごとに点検します。ディーラーや整備工場で車検を行う場合、この24カ月点検は車検と同時に実施されるのが一般的です。

出典:国土交通省「自動車の点検整備」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/

車検(自動車検査登録制度)

新車購入後3年目から、以降2年ごとに実施が義務付けられています。国の定めた保安基準を満たしているかを点検・整備・検査するもので、あくまで「検査を受けた時点」での適合を確認します。
法定点検が故障の「予防」を目的としているのに対し、車検は「検査」という点が大きく異なり、車検の有効期間中の安全性を保証するものではありません。また、車検には自賠責保険料や重量税などが含まれ、法定点検より費用が高額になる傾向があります。

12カ月点検を受けるタイミング

12カ月点検を受けるタイミング

12カ月点検は、前回の点検から12カ月以内に行うのが基本です。もし期限内に点検を受けることが難しい場合は、期限日の1カ月後までに点検を受けるよう努めましょう。新車を購入した場合は、翌年から12カ月点検が必要となります。
次回の点検時期を確認する方法はいくつかあり、一つは、点検を業者に依頼した際に発行される「点検整備記録簿」を確認すること。もう一つは、車のフロントガラスに貼られている「点検整備済ステッカー(ダイヤルステッカー)」です。このステッカーの中央に記載されている大きな数字が次回の点検年、周囲の小さな数字が次回の点検月を示しています。
理想としては、ステッカーに記載された期限日の前後1ヶ月で点検を受ける予定を組むことが推奨されています。もし点検時期が過ぎてしまったことに気づいた場合は、できるだけ早く点検を受けるようにしましょう。

12カ月点検の点検内容

12カ月点検の点検内容

12カ月点検では、車が安全に走行するために必要な項目が点検されます。これらの項目は主に「エンジンルーム」「室内」「足回り」「下回り」の4つのエリアに分けられ、それぞれ専門的なチェックが行われます。以下に、主要な点検項目とその目的を抜粋してご紹介します。

エンジンルーム

エンジンルーム

ファン・ベルトの緩みや損傷
オルタネーターやウォーターポンプを動かすベルトに異常がないかを確認し、エンジンが正常作動していることを点検します。

冷却水の漏れ
エンジンを冷やしオーバーヒートや故障を防ぐための冷却水の漏れがないかをチェックします。

バッテリーターミナル部の緩みや腐食
バッテリーターミナル部の接続不良によるエンジン始動困難や電装系不具合がないかを確認します。

室内

室内

ブレーキペダルやパーキングブレーキの遊びや効き具合
ブレーキ系統の異常がないかを確認し、安全な停止能力を確保します。

電子制御装置の点検
エンジンやブレーキなどの電子制御装置が正常に動作しているかを確認。2024年10月1日からは「車載式故障診断装置(OBD)の診断結果」の確認も義務付けられました。

足まわり

足まわり

ブレーキパッドの摩耗
摩耗が進むとブレーキの効きが悪くなり安全走行に支障をきたすため、パッドの厚みを確認します。

タイヤの溝の深さ、異常摩耗
タイヤの溝が浅いとスリップしやすくなり、摩耗が激しいとバーストの危険があるため確認。空気圧も併せてチェックされます。

下回り

下回り

エンジンオイルの漏れ
オイル漏れによるエンジン焼き付きが起きていないかを確認します。

プロペラシャフト、ドライブシャフトの連結部の緩み
動力伝達の異常や走行中の異音を防ぐため、エンジンの動力をタイヤに伝えるための部品であるプロペラシャフトやドライブシャフト連結部の緩みをチェックします。

マフラー取付部の緩みや損傷
排気ガスの車内逆流や一酸化炭素中毒の要因を排除すべく、マフラーの取付部に緩みや損傷がないか確認します。

12カ月点検の費用や所要時間

12カ月点検の費用や所要時間

12カ月点検の一般的な費用相場は、10,000〜20,000円程度です。ただし、費用は車種(軽自動車・普通自動車)や依頼する業者によって異なり、点検の結果、エンジンオイルや部品の交換や修理が必要な場合は追加で費用が発生します。そのため、点検料金だけでなく、整備内容や部品代も含めて総合的に費用を判断することが大切です。
所要時間は通常1〜2時間程度ですが、点検内容や車の状態によっては変動することがあります。点検を受ける際には、「自動車検査証(車検証)」と「点検費用」を用意しておきましょう。また、前述した過去の「点検整備記録簿」や「点検整備済ステッカー」があれば、持参すると良いでしょう。これらの記録は、車のメンテナンス履歴を示すものであり、将来的に車を売却する際に有利に働く可能性もあります。
12カ月点検は、ディーラー、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどで受けることができます。自分で行うことも可能ですが、自動車整備士並みの専門知識や技術、点検設備が必要です。車の安全性に直結するため、やはり専門業者に依頼すべきでしょう。

(まとめ)12カ月点検を受けて安全なドライブを

(まとめ)12カ月点検を受けて安全なドライブを

12カ月点検は、車の安全性と性能を維持するための重要な定期点検であり、法律で義務付けられています。
日頃から車の状態に注意を払い、エンジンの音や走行中の振動、ブレーキの効きなどに少しでも異常を感じたら、すぐに専門業者に相談することが大切です。これらの症状を放置すると、重大な故障につながる恐れがあります。早期に対処することで、大きなトラブルを未然に防ぎ、修理費用を抑えることにもつながります。
プロによる定期的な12カ月点検を受け、愛車を良好なコンディションに保つことで、安全で快適なカーライフを楽しみましょう。

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Drive! NIPPON編集部

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