様々な歴史に彩られた「唐津」のヘリテージを辿る旅

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九州の北西部に位置し、江戸時代は唐津藩の城下町、明治時代以降は石炭の積出港として栄えた佐賀・唐津。満島山には桜や藤の名所として知られる唐津城が街を見守るように建ち、旧唐津銀行など瀟洒な建造物からは石炭産業の興隆がうかがえます。これらのヘリテージを辿りながら、唐津の奥深い魅力に触れてみましょう。

地元のお母さんたちとの交流も楽しい!「呼子の朝市」

地元のお母さんたちとの交流も楽しい!「呼子の朝市」

石川県の輪島、岐阜県の高山と並び、日本三大朝市の一つとして有名な呼子の朝市。江戸時代に漁師と農家が鯨肉や鮮魚、農産物を売買していたことが始まりとされ、大正時代の初め頃に現在の形が定着しました。呼子港・東側の朝市通りは朝7時30分から正午まで歩行者天国となり、約200mの細い通りに平日だと約50店,日曜・祝日には約70店の露店や店舗が毎日並びます(元日を除く)。玄界灘でとれた新鮮魚介をはじめ、自家製イカの一夜干しや魚の干物、収穫したての野菜、果物、花などが勢揃い。「おいしかよ~」、「食べてみらんですか」といったお母さんたちの元気な掛け声が響きわたり、食べ方を教えてくれたり、おまけしてくれたり。値段交渉といった呼子朝市ならではの楽しみも満喫して。

■唐津市呼子町呼子 呼子朝市通り
■TEL:0955-74-3355(唐津観光協会)

城下町や松原を一望、唐津観光のシンボル「唐津城」

城下町や松原を一望、唐津観光のシンボル「唐津城」

天守閣を鶴の頭に見立て、東西に伸びる松原が両翼を広げた鶴のように見えることから、別名・舞鶴城と呼ばれる唐津城。豊臣秀吉の家臣・寺沢志摩守広高が慶長7(1602)年から7年の歳月を費やして築城し、九州諸大名の加勢を受けるとともに名護屋城の解体資材が用いられたといわれます。城内は石垣を巡らし濠が掘られていましたが、廃藩置県によって明治4(1871)年、廃城に。本丸跡は舞鶴公園となっており、現在の城郭は天守台跡に慶長様式を取り入れ、文化観光施設として昭和41(1966)年10月に完成。5層の見事な天守閣が堂々とそびえています。内部は郷土博物館として唐津藩の資料や唐津焼などが展示され、唐津の歴史に触れることができます。展望所からは玄界灘、虹の松原の雄大な景観、松浦川と城下町唐津の風景を一望することも。夜は新型コロナウイルスと最前線で戦う医療従事者に感謝を表し、ブルーにライトアップされています(2020年7月現在)。

■唐津市東城内8-1
■TEL:0955-72-5697

豪華絢爛、ダイナミックな造形美を間近に「曳山展示場」

豪華絢爛、ダイナミックな造形美を間近に「曳山展示場」

毎年11月2日から4日にかけて開催され、唐津城が築城される以前から執り行われてきた唐津神社の秋季例大祭「唐津くんち」。曳山行事を含む「山・鉾・屋台行事」はユネスコ無形文化遺産に登録されています。「曳山展示場」には、唐津くんちで街を巡行する豪華絢爛な曳山14台がずらりと展示され、獅子頭や鯛など多種多様な曳山を間近に観賞できます。稀に見る優れた工芸品として佐賀県の重要有形文化財にも指定されており、唐津っ子たちによって守り継がれてきた貴重な町人文化の遺産は一見の価値あり。

■唐津市西城内6-33
■TEL:0955-73-4361 

日本初の名建築家による“辰野式”が息づくデザイン「旧唐津銀行」

日本初の名建築家による“辰野式”が息づくデザイン「旧唐津銀行」

明治45(1912)年に竣工した、旧唐津銀行本店。日本初の建築家として東京駅などを手掛けてきた唐津出身の辰野金吾による監督のもと、愛弟子で清水組(現在は清水建設)の田中実が設計を担当しました。建築デザインのスタイルは、辰野金吾がイギリス留学時代に流行したヴィクトリア様式のひとつ、クイーン・アン様式を日本化した「辰野式」と呼ばれるもの。赤煉瓦に白い御影石を混ぜ、屋根の上に小塔やドームを載せて王冠のように強調する工夫が施されています。銀行として平成9(1997)年まで機能していましたが、移転に伴い唐津市へ寄贈。現在は観覧無料で一般公開されています。アーチ型の窓や暖炉が印象的な貴賓室、2階から塔屋へ続く螺旋階段。展示室には辰野金吾および関連資料が展示され、近代建築の礎を垣間見ることができます。

■佐賀県唐津市本町1513-15
■TEL:0955-70-1717

4世紀にわたる唐津焼の継承と革新「中里太郎右衛門陶房・御茶盌窯記念館」

4世紀にわたる唐津焼の継承と革新「中里太郎右衛門陶房・御茶盌窯記念館」

「一楽・二萩・三唐津」といわれ、茶の世界で長く愛されてきた唐津焼。なかでも中里太郎右衛門陶房は、約420年もの長きにわたって唐津焼を継承してきました。陶房では数々の受賞歴を誇る先代13代と現在の14代中里太郎右衛門それぞれの作品や、陶房の職人たちが丹精込めた作品を展示販売。また2020年3月には12代中里太郎右衛門(中里無庵)の旧宅を活用した「御茶盌窯記念館」がオープンし(画像)、中里家が蒐集した桃山時代の古唐津や唐津藩の御用窯で焼かれた献上唐津、歴代の太郎右衛門の代表作品などを公開。長い歴史の中で移り変わってきた様々な唐津焼を観賞できます。

■唐津市町田3-6-29
■TEL:0955-72-8171
■開館時間:9:00〜17:30(御茶盌窯記念館は10:00〜17:00、入館は16:30迄)
■定休日:水曜日、第1・3・5木曜(祝日の場合は翌日休)、12/30〜1/4

歴史的建造物で味わう、絶品ウナギ料理の老舗「竹屋」

歴史的建造物で味わう、絶品ウナギ料理の老舗「竹屋」

登録有形文化財に指定された木造3階建ての趣ある建物は大正12年に建て替えられたもので、モノクロ映画の世界に迷い込んだよう。もともと同じ屋号で刀研ぎや漆工を営んでいたものの、明治の廃刀令によって料理屋へ転身。松浦川で採れた鰻料理が人気を博し、140年以上の歴史をもつ鰻料理の老舗として親しまれています。吟味したうなぎを創業当時から変わらぬ地焼きで香ばしく焼き上げ、表面はパリッと、中身はふんわり。甘辛いタレをしみ渡らせたご飯が、鰻の旨みをより一層引き立てます。うなぎ丼(肝吸い・漬物付)2,910円〜(持ち帰り用2,710円)。

■唐津市中町1884-2
■TEL:0955-73-3244
■定休日:水曜、第3木曜(変更の場合あり)、1/1~1/3

約100万本の松が群生、数々の伝説が息づく「虹の松原」

約100万本の松が群生、数々の伝説が息づく「虹の松原」

国の特別名勝で、三保の松原、気比の松原とともに日本三大松原のひとつに数えられる景勝地。唐津湾の海岸沿いに幅約0.5km、長さ約4.5kmにわたって約100万本ものクロマツが群生しています。その歴史は17世紀初め、唐津城を築城した初代唐津藩主・寺沢志摩守広高が潮風や飛砂から農地を守るために植林したのがはじまりとされ、数々の不思議な伝説も残されています。豊臣秀吉が名護屋城へ向かう途中この松原を通りかかった際、あまりにもセミが鳴くので「騒々しい」と叱って以降、セミの声が途絶えたとの説や、松が高く眺望がきかなかったので「低くなれ」と睨んで以来、高くならない「睨み松」など。個性溢れる松林を愛でながら、のんびりと散策を楽しみましょう。

■佐賀県唐津市東唐津、鏡、浜玉町浜崎
■TEL:0955-74-3355(唐津観光協会)

〜まとめ〜

いかがでしたか?ご紹介したスポット以外にも、水稲耕作発祥の歴史を伝える「菜畑遺跡」や、日本で唯一警察官を祀る「増田神社」など、見どころが尽きない唐津観光。驚きと発見を求めて、悠久の歴史をひも解く旅に出かけませんか?

(文:三角由美子)

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