
雪道の運転は、ちょっとしたラフな操作が原因で車が不安定な動きをしたり、いつもの感覚でブレーキングしたのに止まらないという状況が簡単に起こります。雪道ドライブを安全に行うには、雪道ならではの運転の心得と、雪道の性格を知ることがポイントです。この記事では、坂道やカーブ、発進時など、雪道ドライブで押さえておきたい安全運転のコツを7つ紹介します。
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目次
雪道の特性を知って、安全ドライブ

雪道を運転する際は「路面の特性」をきちんと理解しておくことが大切です。雪道は路面が非常に滑りやすいだけでなく、場所や時間帯によっても路面状況が変わります。
雪道には、「新雪」「圧雪アイスバーン」「ミラーバーン」「ブラックアイスバーン」など、状態の異なる道が存在します。降ったばかりのふわっとした「新雪」の上では側溝や縁石のラインが見えにくく、走行中にはタイヤが雪の中に沈み込むような挙動になることも。
車が繰り返し通り雪が踏み固められた「圧雪アイスバーン」、路面がつるつるで鏡のように磨かれた「ミラーバーン」、溶けた雪が再び凍結し薄い氷の膜となっている「ブラックアイスバーン」は、滑りやすい路面なので注意が必要です。とくに夜間の「ブラックアイスバーン」は、一見、濡れたアスファルトのように見えるため慎重な運転を心がけましょう。
1. 「急」のつく動作はNG!車線変更も要注意

普段の運転からアクセル・ハンドル・ブレーキの“急”がつく運転は避けるべきですが、雪道では普段以上に丁寧な運転が求められます。ちょっとしたラフな操作が雪道では簡単にスリップにつながります。
また基本的にわだち(タイヤが繰り返し通る溝)が残る雪道では、わだちを走行ラインの目安に走ると走りやすいですが、車線変更でわだちから出るときは、深い溝から横方向にハンドルを切るため車体が乱れやすいので注意が必要です。雪道では不要な車線変更は避け、すべての操作を丁寧に心がけましょう。
2. アクセルペダル“ゆっくり”が原則

雪道での発進や加速においては、優しくゆっくりとアクセルを踏んでいくことが大切。雪道の路面はグリップ力(摩擦力)が極めて低いため、アクセルを強く踏み込むのは厳禁です。
特に信号待ちなどからのスタート時は、前車との車間をいつも以上に大きくとり、慌てずにスタートするのが大切です。走行中の加速も同様で、アクセルを「じんわり」踏み込み、タイヤが雪路面をしっかり捉えている感触を確認しながら徐々に速度を上げていきます「ゆっくり」を徹底することで、タイヤの空転を防ぎ、雪道でも安定した走行を維持できます。
3. ブレーキは“早め”に”“優しく”。エンジンブレーキも活用

雪道では、いつもの感覚でブレーキを踏むとスリップの原因になります。路面が滑りやすいため、強く踏み込むとタイヤが空転し、車が横滑りする可能性もあるからです。安全のためには、早めのタイミングでブレーキ操作を始め、ペダルは「やさしく・ゆっくり」踏むのが基本です。
また、減速時にはフットブレーキだけに頼らず、アクセルを離して自然にスピードを落とす「エンジンブレーキ」も活用しましょう。オートマチック車(AT車)であれば、ギアを「D(ドライブ)」から「S(セカンド)」または「L(ロー)」を選べば、よりエンジンブレーキの効果を得られます。
4. カーブの手前でしっかり減速

雪道のカーブでは、ハンドル操作とブレーキ操作のタイミングが重要です。コーナリング中にブレーキを踏むと、車は不安定になりやすくなります。とくに雪道ではタイヤのグリップは失われやすく、曲がりながらブレーキをかけるとスリップの原因にもなります。カーブでは車が外側へ膨らもうとする遠心力が働くため、減速はカーブに入る前、直線部分でしっかりと済ませてから進入するようにしましょう。
5.雪降る日の交差点の通過の仕方。凍結路面に要注意

雪道の中でも、交差点付近は特にスリップ事故が多発する危険地帯です。多くの車が「発進」と「停止」を繰り返した結果、凍結した路面がつるつるに磨き込まれた「ミラーバーン」や、一見凍っていないように見えてしまう「ブラックアイスバーン」が発生しやすくなります。
そのため、交差点手前では速度を十分に落とし、ゆっくりと進入するのが大切。「交差点付近は滑るもの」と考えて、発進時や右左折はもちろん、停止するときも、早いタイミングでゆっくりとした動作を心がけましょう。
6. 坂道では特に“下り”に注意!

雪道の坂道は、上りも下りも注意が必要です。上り坂では勢いに頼らず、アクセルを一定に保ちながら、ゆっくりと登るのがポイントです。途中で止まると再発進が難しくなるため、前方の車間距離と信号のタイミングをよく確認して進みましょう。
一方、下り坂ではスピードが出やすく、ブレーキを踏みすぎるとタイヤがロックして滑る危険があります。エンジンブレーキをうまく使い、低速で安定した姿勢を保つのが大切です。一度グリップを失うと制御が難しくなるため、焦らず慎重な走行を心がけましょう。
7. 橋の上・トンネル出口は特に滑りやすい

橋の上やトンネル出口は、雪道のなかでも特に滑りやすい要注意ポイントです。橋の上は地面からの熱が伝わりにくく、路面温度が下がりやすいため、凍結が起こりやすい場所として知られています。
また、トンネルの出入口では気温や路面の状態が急に変化し、見た目は乾いていても「ブラックアイスバーン」と呼ばれる薄い氷膜が張っていることもあります。出口付近では「凍っているかもしれない」と意識して、スピードを落として慎重に通過しましょう。見た目で判断せず、常にアイスバーンを想定した運転を徹底していくのが大切です。
その他、駐車するとき。パーキングブレーキを“かけない”選択も

寒冷地で車を停める時は、ブレーキワイヤーや機構部が凍結し解除できなくなるトラブルが発生する可能性があるため、駐車する際はAT車なら「Pレンジ」、MT車なら「1速」または「Rギヤ」に入れて停車し、輪止め(車止め)で動かないよう固定する方法が推奨されています。特にワイヤー式や機械式ブレーキの車では注意が必要です。また平坦な場所や風を避けられる場所を選ぶのも大切です。
最新の電動式パーキングブレーキの中には、自動で作動するものもありますので、マイカーの取扱説明書を事前に確認し、自動作動を解除する操作方法も把握しておくと安心です。
(まとめ)雪道ドライブを安全に楽しむ秘訣は雪道の特徴を知ること
雪道の運転が怖いと思う方は、路面が滑りやすく、乾いた路面とは異なる車の動きをすることがひとつの要因です。でも雪道の種類・特徴を知ることで、車がどのような動きをするのかを想像することができれば、不安な気持ちは和らぎます。雪道ドライブを安全に楽しむ秘訣は知ることと、ゆっくりと丁寧な運転です。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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