
西日本には、ドライブで気軽に訪れることができ、心身をリフレッシュできる魅力的な名水スポットが数多くあります。清らかな湧水は、古くから人々の暮らしを支え、歴史や文化を育むうえで重要な役割を担ってきました。この記事では、そんな西日本の湧水10か所をご紹介します(※各スポットへ訪れる前には通行止めになっていないか、冬期期間の閉鎖はないかなど、最新の情報を確認してからお出かけください)。
TABLE OF CONTENTS
目次
①居醒の清水(滋賀県)

最初に紹介するのは、北陸自動車道・米原ICから車で約10分とアクセスも良好な、滋賀県米原市の醒井にある「居醒の清水(いさめのしみず)」。加茂神社の境内の脇にある石垣の下から湧き出る名水です。古事記や日本書紀にも登場する霊水と伝えられ、かつて日本武尊(やまとたけるのみこと)が熱病の体毒を洗い流したという伝説があります。この清らかな水は、旧中山道のほとりを川となって流れ、醒井の人々の生活に欠かせない水として利用されるとともに、宿場を訪れた旅人の疲れを癒してきました。車でお越しの際は、JR醒ヶ井駅前の駐車場を利用できます。
②浜の川湧水(長崎県)

「水の都」として知られる長崎県島原市で、長崎自動車道・諫早ICから車で約70分のドライブでたどり着ける「浜の川湧水」。地元で愛される“洗い場”として有名なスポットです。現在、市街地に見られる湧水は、1792年(寛政4年)の雲仙岳噴火に伴う地殻変動によって誘発されたものが多いといわれています。4つの区画に区切られた洗い場があり、食料品、食器など、用途によって上から順に水を利用する仕組みが今も守られています。湧水に隣接して、島原名物の「かんざらし」を提供する施設もあるので、地域の暮らしに触れながら観光も同時に楽しめる名水スポットです。
③かつらの千年水(兵庫県)

北近畿豊岡自動車道・八鹿氷ノ山ICを降りて車で約30分の場所にあるのがかつらの千年水。兵庫県香美町の氷ノ山後山那岐山国定公園内、瀞川平(とろかわだいら)の中心に位置する名水です。樹齢1000年以上の兵庫県指定天然記念物「和池の大カツラ」の近くから湧き出しており、夏でも水温が10度前後と冷たく清らかな状態を保っています。1日5000トンの豊富な湧水量は、地域の農業用水・生活用水に。周辺は緑あふれる雄大なパノラマが広がっており、その豊かな美しさから、環境省の「名水百選選抜総選挙」景観部門で第3位に選ばれています。自然観賞やアウトドアが好きな方にとって絶好のドライブスポットです。
④塩釜の冷泉(岡山県)

塩釜の冷泉は、米子自動車道・蒜山ICから車で約20分、岡山県真庭市の蒜山(ひるぜん)エリアにある名水スポットです。蒜山三座の中蒜山の裾野から湧き出る天然水で、水温は年中11度前後と非常に冷たく、真夏でも涼しい癒しの場。湧水量は毎秒300リットルに達し、東西12m、南北5mのひょうたん池を形成しています。昭和60年に日本名水百選(環境省)に認定され、現在も地元住民約600世帯の生活用水として受け継がれています。源泉から直接水を汲むことはできませんが、周辺施設にある水汲み場を利用することが可能です。
⑤観音水(愛媛県)

松山自動車道・西予宇和ICから車で約15分、愛媛県西予市宇和町明間(あけま)にある観音水は、名水百選に選ばれた鍾乳洞からの湧水です。水質は弱アルカリ性で、日量およそ8000トンという非常に豊富な水量を誇ります。夏でも冷たいこの名水を求めて、休日には水を汲みに来る人々の列ができるほどの人気スポット。この水が湧き出す周囲の石灰岩からは、約2億年前に暖かい海に生息していた大型二枚貝の化石が発見されています。また、観音水はえひめ森林浴八十八カ所にも選ばれており、周囲には遊歩道が整備されています。周辺では、夏季限定で、観音水を利用した流しそうめんを提供する施設も営業しており、ひんやりとした空気とともに癒しを感じられる名所です。
⑥天の真名井(鳥取県)

米子道路淀江大山ICから車で約10分、鳥取県米子市淀江町に湧き出す「天の真名井」は、山陰を代表する名水の一つであり、秀峰・大山の麓に位置しています。その豊かな清流は1日に約2500トンもの水量を誇り、環境庁の「名水百選」に選ばれています。この水は生活用水、農業用水、ニジマス養殖などに利用され、地元の人々の生活に欠かせない資源。周辺には、かや葺きの水車小屋やあずまや、遊歩道などが整備されており、緑豊かな懐かしい里山のような風情を味わえます。車でのアクセスもしやすく、潤いとやすらぎを与えてくれるスポットです。
⑦うちぬき湧水(愛媛)

松山自動車道・西条ICから車で約15分、愛媛県西条市に湧き出す「うちぬき湧水」は、打ち込んだ鉄パイプから地下水が自然の圧力で自噴する、全国でも稀な現象によって生まれる名水です。西日本最高峰の石鎚山を水源とする豊富な地下水が扇状地に溜まることで、西条平野や周桑平野にはこの自噴地帯が広がっています。その豊かな水の恵みにより、街の中心部などでは上水道が敷設されていない区域があり、生活用水としてうちぬきの水が利用されているという、10万人規模の都市としては極めて珍しいエリア。JR伊予西条駅のホームや改札口の外にも水飲み場があり、観光客もこの名水を味わうことができます。また、市内の「アクアトピア水系」は、この清流と景観が続く約2.4kmの散策ルートとして整備されており、水都・西条を体感できる癒しのドライブスポットです。
⑧立山玉殿の湧水(富山県)

標高2,450mの立山室堂に位置する「立山玉殿の湧水」は、立山黒部アルペンルートの立山トンネル開通に伴い湧き出した、霊峰立山の水です。環境省の「名水百選」に選定されており、登山客や観光客の喉を潤しています。湧水の石碑と水飲み場の後ろには立山三山が望むことができ、人気の撮影スポット。湧水は軟水で適度なミネラルを含んでおり、ミネラルウォーターとして商品化もされています。アクセスは北陸自動車道・立山ICから立山駅まで車で約40分。立山駅からはケーブルカーやバスでの移動が必要です。室堂周辺には散策道が整備されており、トレッキングを楽しめるほか、周辺の施設ではこの湧水を用いた水出しコーヒーを味わうことができます。
⑨別府弁天池湧水(山口県)

中国自動車道・美祢ICから車で約25分、山口県美祢市、秋吉台国定公園内にある「別府弁天池」は、透き通った青い水が神秘的な美しさを見せる湧水です。この湧水は別府厳島神社の境内にあり、かつて水不足に悩んだ長者が夢のお告げに従い弁財天を祀ったところ水が湧き出した、という伝説が伝わっています。水温は摂氏14度で透明度が高く、昭和60年に環境庁の「日本名水百選」に選定されました。湧水は地域の灌漑や養鱒に利用されており、併設されている美祢市養鱒場釣り堀ではニジマス釣りを楽しむことができます。また、秋には、この神様から授かった水に感謝する念仏踊りが奉納されています。
⑩野中の清水(和歌山県)

和歌山県田辺市、世界遺産熊野古道の中辺路ルート沿いにある「野中の清水」は、古くから熊野詣の参詣者や旅人の給水ポイントとして利用されてきた名水です。古来一度も枯れたことがないと伝えられており、日照りが続いても絶え間なく湧き出る水は、付近住民の飲料水や生活用水としても重宝されてきました。この清水は、和歌山県指定文化財の「野中の一方杉」が繁る継桜王子(つぎざくらおうじ)の近くに湧き出し、歌人の斎藤茂吉が昭和9年に歌を詠むなど、多くの旅人に愛されてきました。水温は年間およそ15度で、1日に50トンから200トンの水が湧き出ており、炭酸水素カルシウムなどのミネラルを豊富に含む軟水です。訪問者が利用できる駐車場も整備されています。
まとめ
西日本には、古来より人々の暮らしを支えてきた全国「名水百選」の清流が点在しています。ドライブでこうした名所を巡り、清らかな湧き水とともにその土地特有の歴史、文化、そして雄大な自然景観に触れ、心身をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
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Drive! NIPPON編集部
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