
「車検は高い」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。車検は安全なドライブに欠かせない制度ですが、つい費用面にばかり目が行きがちです。しかし、その内容を正しく理解することで、費用への納得感が高まり、より安心して愛車に乗り続けられるようになるはずです。この記事では、車検の基本や費用の内訳、2024年から2025年にかけての制度変更について解説します。
TABLE OF CONTENTS
目次
そもそも車検とはどんな制度なのか?

車検とは、「自動車検査登録制度」の略称で、自動車が国の定める保安基準を満たしているかを確認するための検査です。その目的は、自動車の安全確保と環境保全にあります。新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに受ける必要があります。一般的に、車検の有効期間が満了する2カ月前から受けることができ、有効期間内に検査を終える必要があります。
車検が切れた自動車で公道を走行すると、法律違反となり罰則が科せられます。そのため、所有者は有効期間をしっかりと管理することが大切です。
※2025年4月から法改正により、車検満了日の2カ月前から車検が受けられるようになりました。
出典:国土交通省
(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000645.html)
なぜ「車検=高い」と思われるのか?

漠然と「車検は費用が高い」という印象をお持ちの方は多いかもしれません。それは、車検費用の総額だけを見ているからで、内訳を知ればそのイメージも変わってくるでしょう。
車検費用は「法定費用」「車検基本料金」「整備費用」の3つからなっています。
「法定費用」は法律で金額が定められているため、どこで車検を受けても一律です。具体的には、加入が義務付けられている「自賠責保険料」、自動車の重量などに応じて課される「自動車重量税」、検査手続きのための「印紙代(検査手数料)」の3つが該当します。
「車検基本料金」は、車検を代行する業者(ディーラーや車検業者、整備工場)に支払う料金で、24ヶ月定期点検料、保安確認検査料、検査代行手数料が含まれます。この費用は、業者や車種によって異なります。
「法定費用」と「車検基本料金」の合計目安は、軽自動車の場合、6~9万円程度、普通車の場合は8~16万円程度です。
3つめの「整備費用」は、法令で定められた基準を超えて摩耗をしたタイヤやブレーキパッドを交換するなど、車検に合格するために必要な部品交換にかかる費用のこと。この整備費用によって、車検総額は大きく変わってきます。
部品交換が必要ないのか、あるいは最低限で済ませるのか。または次の車検まで安心して乗れるように、予防整備としてしっかりと行うのか。何をどれだけ整備・交換するかで、費用が変わります。
車検時の総額を抑えるためには、日頃からこまめに消耗品を交換し、メンテナンスを行っておくことです。車検時に一気に消耗品を交換する必要がなくなるので、費用は抑えられるはずです。
車検の流れとチェック項目

一般的な車検の流れは、大きく4つのステップで進みます。
1. 事前点検・見積もり:整備工場やディーラーで状態を確認
2. 必要な整備・交換:基準に満たない部分を整備・修理
3. 検査:保安基準(ブレーキ・ライト・排ガスなど)を確認
4. 合格・車検証交付:合格後、新しい車検証とステッカー発行
まず、ディーラーや整備工場で事前点検を行い、見積もりを取ります。ここでは自動車の状態を細かく確認し、車検を通すために必要な整備箇所と費用が提示されます。
次に、提示された見積もりに基づき、合意のもとで必要な整備や部品交換が行われます。消耗品など、保安基準を満たさない部分を修理・交換する大切な工程です。
整備が完了すると、運輸支局または指定された工場で検査が実施されます。検査では、ブレーキの制動力やライトの光軸、排気ガスの濃度といった、安全性や環境性能に関わる項目が厳しくチェックされます。
全ての項目で基準を満たして合格となれば、新しい自動車検査証(車検の有効期限が記載された証明書)と検査標章(ステッカー)が交付され、車検は完了です。
2025年4月から変わった「車検を受けられる期間」

従来、車検は有効期限満了日の1カ月前から受けるのが一般的でした。それより前に受けると、前倒しした期間分だけ次回の有効期間が短くなるためです。
しかし「道路運送車両法」改正により、2025年4月から有効期限の2カ月前から受検しても、次回の有効期間が短縮されなくなりました。受検できる期間が拡大したことで、ドライバーはより柔軟に計画を立てられるようになり、事業者側の混雑が緩和されるなど、双方にとってメリットの大きい制度改正と言えるでしょう。
出典:報道発表資料:来年4月より、車検を受けられる期間が延びます|国土交通省
(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000645.html)
(まとめ)車検は「検査」、整備は「安全のための投資」
車検は国が定める保安基準に適合しているかを確認する「検査」です。費用が高くなる主な理由は、安全性を維持するための「整備」が必要になるためであり、これは安心・安全なカーライフを送るための大切な投資といえます。
また車検を受けられる期間が延長され、以前よりも余裕をもってスケジュールを立てられるようになりました。早めの準備でじっくりと依頼する先を比較検討して、ご自身に合う依頼先を見つけましょう。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。

