雪道で役立つチェーンの種類と、正しい装着方法

冬のドライブでは、積雪や凍結路で思わぬトラブルに遭うこともあります。スタッドレスタイヤを装着していても、急な坂道や深い雪では走行が難しい場面も少なくありません。そんなときに頼りになるのがタイヤチェーンです。金属製や非金属製など素材による特徴や選び方、正しい装着手順、走行時の注意点を解説します。家族との冬ドライブを安心して楽しむために、タイヤチェーンの基本を確認しておきましょう。

なぜタイヤチェーンが必要なの？

冬のドライブでタイヤチェーンが必要な理由は主に3つあります。

第1に、スタッドレスタイヤでも、アイスバーンや勾配のきつい坂道では、タイヤチェーンの強力なグリップが必要になる場面があるためです。特に雪深い山道を走る際は、十分な備えが必要です。

第2に、国土交通省が指定する「チェーン装着義務区間」では、タイヤチェーンの装着が義務付けられています。第3に、突然の降雪や凍結路に遭遇した際の緊急脱出用として、1セット車に積んでおくと、いざというときの安心感がぐっと高まります。万が一の事態に備え、適切なチェーンの知識を身につけ、万全の準備をしておきましょう。

チェーンの種類と選び方。金属製・非金属製・布製の違い

タイヤチェーンは大きく分けて、「金属製」と「非金属製（樹脂・ウレタンなど）」の2種類があります。

金属製チェーンは、鎖のような形状で路面をしっかりつかむため、グリップ力が高く、圧雪や凍結した路面に適しています。耐久性が高いため、雪道を走る機会が多い地域や山道を頻繁に走るドライバーに適しています。一方で、走行中の振動や騒音が大きく、乗り心地がやや硬めになるというデメリットがあります。

非金属製チェーンは、樹脂やウレタンなどの素材でできており、軽量で装着しやすいのが特徴です。振動やノイズも少なく、都市部での使用や軽い積雪時にぴったり。コンパクトに収納できるタイプも多く、初心者や女性ドライバーにも扱いやすい設計です。ただし、金属製に比べてグリップ力や耐久性はやや劣るため、長距離や過酷な雪道走行には不向きな場合があります。

さらに、一時的な走行や緊急用として注目されているのが「布製チェーン」です。装着が非常に簡単で、突然の降雪時にもすぐ対応できますが、布が凍る恐れがあるため長時間の使用には向きません。

チェーンを選ぶ際は、装着頻度・走行距離・保管のしやすさを基準に検討するのが大切です。走行環境に合わせたタイプを選ぶことで、冬のドライブを家族と安心して楽しめるでしょう。

装着前の準備と正しい取り付け方

雪道でチェーンを装着する作業は、想像以上に大変なもの。雪道に入る前に、安全な場所で作業しておくことをおすすめします。

タイヤチェーンは基本的に駆動輪に装着します。前輪駆動（FF）は前輪、後輪駆動（FR）は後輪に装着します。4輪装着を推奨する車種もあるため、車種ごとの指定を確認しておくと安心です。

装着手順はシンプルです。まずタイヤの上部にチェーンの半分をかけ、次に車を少し前進させて残りを装着します。その後、固定金具をしっかり締め、チェーンのたるみがないか確認しましょう。装着後は数百メートル走行して再度締め直すと、走行中のズレを防げます。また、乾燥路面に入ったら早めにチェーンを外し、タイヤやチェーンの損傷を防ぎましょう。

ポイントは「安全な場所での準備」「駆動輪への装着」「たるみの確認と再締め」です。事前に手順を覚え、緊急時にも焦らず対応できるよう準備しておくことが大切です。

タイヤチェーンの走行中・保管時の注意点

タイヤチェーンを使用する際は、装着方向を正しく確認することが大切です。
向きを誤ると走行中に外れたり、破損したりする恐れがあります。また、装着トラブルや車体へのダメージを防ぐためにも、タイヤサイズにあった製品をしっかりと選びましょう。タイヤチェーンを装着した際は、スピードを抑え、急発進や急ブレーキを避けて慎重に運転しましょう。
使用後はチェーンの水分をしっかり拭き取り、錆や劣化を防ぐために風通しのよい場所で十分に乾かしてから保管するのがおすすめです。

（まとめ）雪道ドライブに行く前にタイヤチェーンの取説を再確認

雪道ドライブに行く前に、タイヤチェーンの準備と正しい装着方法を再確認しておくことが安全運転のカギです。走行環境に合ったタイプを選び、事前に装着手順を練習しておくことで、急な積雪にも落ち着いて対応できます。
使用後のメンテナンスも忘れずに行えば、長く安心して使えます。冬本番を迎える前にしっかり備え、家族や友人とのドライブを安全に楽しみましょう。