
秋は美しい紅葉が楽しめる一方で、道路には思わぬ落とし穴があります。路面に積もった落ち葉や雨に濡れた箇所は滑りやすく、特にカーブや交差点ではヒヤリとする場面も少なくありません。家族を乗せて運転するドライバーにとって、事故を防ぐための備えは大切です。
本記事では、落ち葉が引き起こす路面リスクと注意すべき状況、そして秋のドライブを安全に快適に楽しむための運転ポイントを解説します。
TABLE OF CONTENTS
目次
落ち葉がもたらす路面リスク

秋の道路に積もった落ち葉は見た目以上に危険です。路面との摩擦が妨げられ、タイヤのグリップ力が低下することで、スリップや制動距離の延長につながります。特にイチョウのような平らな葉は乾いた状態でも滑りやすく、雨で濡れると「濡れ落ち葉」となり、アスファルト上で一層危険度が増します。さらに落ち葉が排水をふさぐと水たまりができ、ハイドロプレーニングのような現象を引き起こすリスクも。カーブや交差点では特に注意が必要です。
滑りやすい状況と危険なシーン

秋のドライブで気をつけたいのが、路面に積もった落ち葉による滑りやすさです。特に注意が必要なのは、カーブや坂道、交差点や横断歩道付近、そして雨で濡れた路面など。ここでは、安全運転のために注意すべきシーンと具体的なポイントを解説します。
①カーブや坂道

落ち葉が積もったカーブを走行すると、タイヤと路面の間に落ち葉が挟まり、グリップ(摩擦力)が著しく低下します。その結果、ハンドル操作に対する反応が鈍くなり、思ったより曲がれなかったり、制動距離が延びて止まりにくくなったりする危険があります。さらに坂道では重力が加わるため、下り坂では制動距離が伸びやすく、上り坂ではスリップしてタイヤが空転する可能性があります。
②交差点・横断歩道付近

交差点や横断歩道付近は「減速→停止→発進」という動作が集中するポイントです。落ち葉が積もっていると、ブレーキを踏んでも制動距離が伸びたり、発進時にタイヤが空転して前に進みにくくなったりします。特に雨で濡れた落ち葉は滑りやすく、停止線や横断歩道の白線と重なると、さらに摩擦が弱まります。いつも以上に慎重な運転を心がけることが必要です。
③雨天時の落ち葉

濡れた落ち葉は「濡れ落ち葉」と呼ばれ、タイヤと路面の間に入り込むと摩擦を大きく低下させます。さらに落ち葉が厚く積もった状態では、氷の上を走るのと同じくらい滑りやすくなることも。そのためブレーキを踏んでも止まりにくく、ハンドル操作にも反応しにくい危険な状況を招きます。落ち葉は見た目以上に滑りやすく、運転中の挙動を大きく乱すリスクがあります。
落ち葉が積もった道を安全に走るコツ

秋の道路は落ち葉で思わぬ運転リスクが潜んでいます。秋のドライブを安全に楽しむためには、落ち葉への対策が欠かせません。ここではスピードの調整や車間距離の確保など、落ち葉の上を安全に走るためのコツを解説します。
①スピードを控えめにする

落ち葉が積もった道は想像以上に滑りやすくなっています。雨や朝露で濡れた落ち葉の上では、タイヤのグリップ力が著しく低下し、スリップの危険性があることを理解しておくことも大切。万が一の事態を防ぐため、制限速度より控えめなスピードを意識して運転しましょう。速度を落とすことで、滑りそうになっても立て直しやすくなります。常に路面を確認しながら速度を落とす準備をしておく重要です。
②車間距離を十分にとる

落ち葉の上では、普段より長めの車間距離を確保するのが基本です。落ち葉が積もった路面では、タイヤと路面の摩擦が低下するため、ブレーキをかけても制動距離が延びてしまいます。乾燥したアスファルトの上を走る時よりも、はるかに停止しにくい状態です。前の車が急ブレーキを踏んだ場合も、対応できるように十分な車間距離に保つように心がけましょう。
③急操作を避ける

落ち葉の上を走行する際は、普段の運転以上に、急な操作は避けることが大切です。急ブレーキ、急ハンドル、急加速を避けることは、日常の運転でも基本ですが、濡れた落ち葉の上では、タイヤが路面をしっかりと捉えきれずにスリップの危険が一層高まります。一度スリップが始まると、車のコントロールを失い、意図しない方向に進んでしまったり、停車できなくなるリスクがあります。運転操作は、普段よりも滑らかに、ゆっくりと操作することを心がけましょう。
④タイヤの点検をしておく

落ち葉の多い道路で安全にドライブするためには、日頃のタイヤ点検も欠かせません。タイヤの溝がすり減っていたり、空気圧が不適切だったりすると、スリップのリスクが高まるからです。溝が浅いタイヤは、路面の水を効率よく排出できず、濡れた落ち葉の上では非常に滑りやすくなります。
国土交通省の指針でも、タイヤの溝や空気圧は日常点検の項目として定められています。秋のドライブを安心して楽しむために、出発前のタイヤ点検を習慣にしましょう。
出典:国土交通省「事業用自動車の安全対策:自動車総合安全情報」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/tebiki.html)
(まとめ)秋の道路は油断禁物
秋の紅葉ドライブは、美しい景色に心が躍るものですが、その足元には意外な危険が潜んでいます。特に濡れた落ち葉は非常に滑りやすく、思わぬ事故につながるリスクが潜んでいます。大切な家族とのドライブを心から楽しむためにも、「スピードを控えめにする」「車間距離を十分にとる」「急な操作を避ける」「タイヤの点検をしておく」といった安全運転のポイントをおさえて、安心安全の秋ドライブを楽しみましょう。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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