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投稿日:2025.10.10 Fri

更新日:2025.10.14 Tue

車のヒーターが効かない!考えられる原因と対策

車のヒーターが効かない!考えられる原因と対策

寒い日に車のヒーターが使えないと、移動がつらくなりますよね。車内が暖まらないだけでなく、曇ったフロントガラスでの視界不良など安全面にも影響します。原因はさまざまで、放置すると大きなトラブルにつながることも少なくありません。本記事では、車のヒーターが効かないときに考えられる原因と、すぐにできる対処法・点検ポイントを紹介します。秋のドライブを安心して楽しむために、ぜひ記事をチェックして備えておきましょう。

カーエアコンの仕組み

カーエアコンの仕組み

カーエアコンの仕組みは、車の種類によって異なります。一般的なガソリンエンジン車におけるヒーター(暖房)の仕組みは、エンジンの燃焼によって発生した熱を活用しています。
具体的には、エンジンを冷やすための冷却水(クーラント)が熱を吸収し、その熱をヒーターコアという部品に送ります。その後送風ファンで風を当てて温かい空気を作り出し、ダクトを通して車内全体に温風を行き渡らせる仕組みです。

ハイブリッド車は、エンジンだけでなくモーターも使用するため、エンジンの熱だけでは十分な暖房が得られない場合があります。そのため、一部の車種には補助ヒーターが搭載されています。エンジンを持たない電気自動車(EV)は、エンジンの排熱を利用できないため、電気の力で温風を作り出す電気式ヒーターが主流です。

ガソリン車とはヒーターの仕組みが根本的に異なるため、本記事では一般的なガソリンエンジン車のヒーターを軸に解説します。

車のヒーターが効かないときに考えられる主な原因

車のヒーターが効かないときに考えられる主な原因

車のヒーターが効かないと一口に言っても、冷却水の不足やサーモスタットの故障、ヒーターコアの詰まり、さらにはエアコンユニットやブロワファンの不具合など、原因は多岐にわたります。考えられる原因を一つずつ確認していくことが、トラブルをスムーズに解決する近道です。ここでは、車のヒーターが効かないときに考えられる主な原因を解説します。

①冷却水不足

①冷却水不足

車のヒーターは、エンジンを冷やすために循環している冷却水の熱を利用して温風を作り出しています。冷却水が不足するとヒーターコアに十分な温水が回らず、暖かい風が出なくなることも。原因の多くは、冷却系の水漏れや定期的な補充を怠ったことによる不足です。冷却水不足はオーバーヒートにもつながるため、ヒーターが効かないと感じたら、まず冷却水の量を確認してみましょう。

②サーモスタットの故障

②サーモスタットの故障

ヒーターが効かない原因として、サーモスタットの故障も考えられます。サーモスタットは、エンジンの温度を一定に保つための重要な部品です。冷却水の流れる道を調節するバルブのような役割を担い、エンジンがオーバーヒートしないように温度を調整しています。このバルブが故障して開きっぱなしになると、エンジンが十分に温まらず、冷却水の温度も上がりません。結果として、ヒーターコアに熱が届かず、車内に送られるのはぬるい風ばかりとなります。

③ヒーターコアの詰まり

ヒーターコアは、エンジンの熱で温まった冷却水を風に当てて、車内に温風を送る重要な部品です。しかし、冷却水の劣化や汚れが進むと、サビや水アカなどの不純物が混入し、ヒーターコアの内部に溜まってしまうことがあります。その結果、冷却水の通り道が狭くなり、温かい水が十分に循環しなくなり、熱が風に伝わりにくくなって、ヒーターの効きが悪くなってしまいます。

④エアコンユニット・ブロワファンの不具合

風は出るのに冷たいままで温かくならない場合は、エアコンユニット内のエアミックスドアに問題があるかもしれません。この部品は、温風と冷風の割合を調整する役割を担っており、故障すると温風が車内に送られなくなってしまいます。温風が全く出ない、あるいは風量が弱い場合は、ブロワファンの不具合が考えられます。ブロワファンは、ヒーターコアで温められた空気を車内に送り込む扇風機のような役割をしています。このファンが動かなければ、温風も車内に循環しません。

ヒーターが効かないときのチェック方法

ヒーターが効かないときのチェック方法

車のヒーターが効かないと感じたとき、まずはご自身でできる簡単なチェックから始めてみましょう。冷却水の量や温風の出方、そして警告灯などを確認するだけでも、トラブルの原因を絞り込める場合があります。ここでは、プロに依頼する前に試したいチェック方法を紹介します。

①冷却水の量を確認

ヒーターが効かないと感じたら、まずボンネットを開けて冷却水の量を確認しましょう。リザーバータンクは半透明なので残量を外からチェックでき、目盛りが「FULL」と「LOW」の間にあれば正常です。もしLOWラインを下回っていれば補充が必要になります。ラジエーターキャップを開けて液面を直接確認する方法もありますが、エンジンが熱を帯びている状態で開けると危険です。必ず完全に冷めてから行いましょう。

②温風の出方を試す

車のヒーターが効かないとき、温風の出方を確認するのも有効なチェック方法です。送風口から出てくる風が冷たいままなのか、弱々しいのかを試すことで、原因の切り分けにつながります。エンジン始動から10分程度走行後、風は出るのに温まらない場合は「ヒーターコアの詰まり」や「冷却水不足」が疑われます。そもそも風が出てこない場合は「ブロワファンやエアコンユニットの不具合」の可能性が高いです。

③警告灯・水温計をチェック

水温計や警告灯のチェックは、エンジンの状態や冷却システムの問題を示す重要な手がかりとなります。水温計がなかなか上がらない・常に「低温側(C寄り)」のまま、あるいは温度表示が異常に低いときは、エンジンが十分に温まっていない証拠です。暖房の熱源である冷却水も温まらず、ヒーターの効きが悪くなるケースがあります。最近の車では水温警告灯だけしかないものがあります。その場合は温度表示が見えにくいため、警告灯の色変化や表示灯の状態を見逃さないことが大切です。

修理や点検が必要なケース

修理や点検が必要なケース

車のヒーターが効かないとき、状況によっては専門的な修理や点検が必要になる場合もあります。たとえば水温計の針が上がらない場合は、サーモスタットの故障が疑われ、プロによる交換が欠かせません。また、冷却水の汚れでヒーターコアが詰まった際は洗浄や交換が必要となり、セルフ対応は困難です。冷却水を補充してもすぐになくなる場合は、ラジエーターやホースからの水漏れが考えられ、目視では発見しにくいため整備工場での診断が安心です。ヒーターやエアコンから異音が聞こえる場合も、ヒーターコアの詰まりやブロワファンの故障などが疑われるため、早めにプロに相談しましょう。

(まとめ)ヒーターが効かないときは早めの点検を

車のヒーターが効かない場合、冷却水不足やサーモスタットの不具合、ヒーターコアの詰まり、エアコンユニットやブロワファンの故障など、原因は多岐にわたります。冷却水の量を確認したり、温風の出方や水温計をチェックするなど、自分で試せる点検方法もありますが、異常を感じたら早めに専門の整備工場で見てもらうことが大切です。ヒーターの不調は快適さだけでなく安全にも直結します。家族との秋のドライブを安心して楽しむためにも、早めの対応を心がけましょう。

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Drive! NIPPON編集部

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