
2025年2月、東京の青山にマツダのブランド体感施設「MAZDA TRANS AOYAMA」がオープンしました。自動車ディーラーは購入予定がない人には敷居の高い場所ですが、ここはふらっと立ち寄って、マツダ車を眺めながら、美味しいコーヒーを味わうだけでも良いのです。マツダというブランドの世界観と出会える場所。そんな素敵な場所で東京を楽しむドライブも楽しんできたのでレポートをお届けします。
取材・文:若林葉子

TABLE OF CONTENTS
目次
誰もが気軽に立ち寄って、MAZDAブランドを感じることのできる場所

真夏の太陽が痛いくらいに照りつける8月のある日、MAZDA TRANS AOYAMAヘ出掛けました。地下鉄・表参道駅のB1出口を上がったら、すぐ目の前が入り口です。なんと地の利の良い場所にあるのだろうとちょっと感動。これなら暑い夏でも寒い冬でも自然に足が向くというものです。
一歩中に入ると、そこには都心の一等地とは思えない贅沢な空間が広がっています。1階は入ってすぐの左手にカフェカウンター、正面奥には現行モデルのCX-80が展示されています(訪れた日の展示車両です)。開放感のある大きな窓、床材の質感、ベンチのような椅子など、まるで公園にいるような気持ちよさ。都会のオアシスのような空間です。

2階へ上がっていくと、がらりと雰囲気が変わります。階段の上のコーナーはギャラリースペースです。そして時計方向にぐるりと向きを変えると、空間の左半分には配管と蛍光灯が整然と配置された天井が目に入ります。ここは広島にあるマツダの本社工場の天井を模しており、スタッフの方達はラボエリアと呼んでいるそう。
対して数種類のソファが並ぶ右半分はリビングエリアと呼ばれています。さらに奥へと歩を進めたところにあるのはデスクスペース。ゆっくり本を読んだり、PCを広げて仕事をする人に活用されているそうです。

一つの施設なのにスペースにいくつもの変化があり、ひとりでゆっくりしたい、友人とおしゃべりしたい、打ち合わせに使いたい、仕事に集中したいなど、いろんな人のいろんな気分や目的を受け容れてくれる懐の大きさが感じられます。
自動車メーカーであるマツダは「MAZDA TRANS AOYAMA」にどんな想いを込めているのでしょうか。
「マツダへの興味や関心の度合いに関わらず、本当にいろんな方に気軽に来ていただきたいと思っています。ただ来ていただくだけで、ブランドのいろんな側面を自然に感じていただいたり、マツダ車について知っていただけるような施設を目指しています」
そう話してくれたのはMAZDA TRANS AOYAMAのブランドマネジャーである石田陽子さん。
「名称のTRANSには変える、超えるという意味があります。お客様が前向きになれるきっかけだったり、そのスイッチの一つであったり。そんな場所としてご利用いただけたらと思っています」
ギャラリー作品にもそれは表れているなと感じます。作品は期間限定で都度、変わりますが、この日はアーティストの青沼優介さんの作品が展示されていました。たんぽぽの綿毛を使って都市を表現した代表作「息を建てる/都市を植える」の中に、「街の一等星」に見立てた「ROADSTER」と「ICONIC SP」が入り込んでいます。MAZDAとコラボすることで、白一色だった青沼さんのたんぽぽの綿毛の都市の中に、真っ赤なスポーツカーが疾走することになった。アーティスト自身にとっても、ある種の「TRANS」のきっかけになったと言えるかもしれません。
そんなことを考えながら過ごすのはとても豊かな時間です。
美味しいコーヒー、さまざまな仕掛けを楽しむ

「自然にマツダの世界観を感じてもらえる場所」「お客様が前向きにTRANSできる場所」でありたいというマツダの想いは他にもいろいろなところに感じることができます。
MAZDA TRANS AOYAMA自慢のカフェをご紹介しましょう。

カフェのコーヒーメニューを監修しているのは、広島の観光名所である宮島のスペシャルティコーヒー専門店「伊都岐(いつき)珈琲」です。市場のおよそ5%程度しか存在しない貴重なスペシャルティコーヒーのみを焙煎したと聞けば試さないわけにはいきません。
ちなみに伊都岐珈琲を味わえるのは東京ではここだけだそうですが、ブレンドコーヒーは420円と都心の一等地で味わうコーヒーとしてはかなりリーズナブル。もちろん、そのほかにもデカフェや紅茶、広島レモンを使ったジュースなど、ドリンクメニューも豊富。
マツダの特別塗装色である「ソウルレッドクリスタルメタリック」からインスパイアされたレッドケーキも息を呑むような美しさです。

そして、ちょっと目を凝らして見てみると、あちらこちらに「マツダらしさ」のしつらえが仕掛けられています。
例えば、絵画のようにも見える壁飾り。これはマツダ車の内装に使われる革やファブリック素材で構成されているのです。同じようにボディカラーで構成された造作も。またマツダの車名に使われた数字でデザインされたアートポスターや、歴代モデルのミニカーはもちろん、往年のモデルのエンブレムなどもさりげなく空間を彩っています。

一階のベンチに置かれた丸いクッションはぜひ、裏返して見てください。往年のクルマのシートをサンプリングした生地が現れるかも…。
こんな仕掛けを見つけると、なんだかとても嬉しくなって、今度は誰かを誘って来たくなる。まさに「前向きな気持ち」に自分がトランスしていることに気づかされます。
MAZDA TRANS AOYAMAの空間デザインはマツダ社内の空間デザイナーの方々が手がけており、だからこそブランドのコンセプトがより鮮明に表現されているのでしょう。手がけた方たちの情熱や遊び心がダイレクトに伝わってくる気がします。
運転に自信がなくても大丈夫。マツダ車で東京の街をドライブ体験しよう

さて、MAZDA TRANS AOYAMAについて、読者の皆さんにぜひ知ってもらい、体験していただきたいのがテストドライブ(試乗)です。
普通、自分や家族の所有車以外の車に乗ることはなかなかありません。レンタカーやカーシェアを利用するとしても、現行モデルであるとは限りません。現行モデルに乗ってみたいなと思っても、具体的な購入予定がないのに販売店に行くのはやっぱり気が引けます。そんな方にこそ、MAZDA TRANS AOYAMAのテストドライブがおすすめです。
ご担当者にお話を聞きました。

― いきなりこんな質問で失礼かもしれないのですが、本当にただ試乗するだけで良いのでしょうか。
はい。最新のマツダ車を体感していただくことが目的ですので、お乗りになった後に営業のようなことは一切ございません。
― 安心しました。どのようなモデルが用意されていますか?
現在は、2シーターオープンのロードスターと、ちょっと大きめのCX-80の2モデルです。
― スポーツカーとファミリーカー。対照的なふたつのモデルなのですね。
はい。それぞれ全く違った個性の車をご用意しております。
― 試乗の概要について教えていただけますか?
試乗には3つのパターンがあります。「スタッフが同乗してお客様ご自身が運転する」「スタッフが運転する車にお客様が同乗する」「スタッフの同乗なしで車をお貸し出しする」 この3つです。
― スタッフの同乗なしで貸し出してくださるのにも驚きましたが、自分では運転せずに同乗できるプランがあるのはとても嬉しいですね。女性に限らないでしょうけれど、乗ってみたいけど運転に自信がないとか、こんな都心のど真ん中はちょっと…という方は少なからずいらっしゃると思います。
おっしゃる通りです。私たちとしては運転が好きという方のみならず、すべての方にマツダ車を体験していただきたいという思いで、免許をお持ちでない方でもご試乗いただけるようにこのプランを設定しました。
― 試乗するにあたって何か条件はありますか?
細かい利用規約はwebページをご確認いただきたいのですが、大きなところでは、日本の免許証をお持ちの方で、20歳以上かつ免許取得1年以上の方のみとさせていただいています。
当日は利用規約書へのサインと免許証の確認、さらにアルコールチェックをお願いしています。
― 運転しやすい靴を履いてくる、あるいは持ってくることも大事ですね。
はい。サンダルやハイヒールでの運転はお断りしています。
― 試乗コースを教えてください。
スタッフ同乗の場合には4つのコースがあります。1番短いのが「都会の中で自然を感じるコース」で、青山通りをスタートし、赤坂方面に向かって、明治神宮外苑いちょう並木を都会の中で自然を感じる抜ける約8km(約25分)のコースです。
― 距離は短いけど東京の都心ならではの醍醐味を味わえるコースですね。緑もあり高低差もあり、適度なカーブもあって。
そうなんです。そのほか約14km(約60分)のコースは、新宿の都庁前や渋谷のスクランブル交差点を通る「緑と都会のトランスコース」、皇居外苑、丸の内オフィス街、東京駅丸の内口、国会議事堂前を通る「東京クラシックコース」、青山霊園、東京タワーなどを通る「東京のランドマークをめぐるコース」の3つです。東京タワーを通るコースでは東京タワーをバックに記念撮影の時間も設けています。(お客様が運転可能なコースは「都会の中で自然を感じるコース」と「東京のランドマークをめぐるコース」になります)
― それは嬉しいですね。渋谷のスクランブル交差点なんて、自分で運転するとドキドキしそうです(笑)
そうおっしゃる方が多いですね。
そのほか貸し出し試乗はたっぷり運転していただける約38km(約90分)のコースをご用意しています。
― そんなに長い時間、貸し出していただけるなんてすごい。
こちらは出発後、海の方へ向かい、レインボーブリッジや東京ゲートブリッジなどの絶景スポットを通るので、爽快なドライビング体験をしていただけると思います。
― ドライビングを満喫できそう!
例えばCX-80の場合だと、家族も一緒に体験したいという希望もあるのではないですか?
実際にそういうお客様もいらっしゃいますので、3種類のISOFIX・チャイルドシートをご用意しています。ただロードスターはISOFIX用のアンカーが装着されていないので、大変申し訳ないのですがチャイルドシートが必要なお子様は同乗いただけません。
― なるほど。お話を聞いていて、私はスタッフが同乗してくれるプランがいいなと思いました。道に迷う心配もないし、車の説明も聞くことができますし。
そうですね。例えばロードスターですと、メーター類が左右対称になっていることや、運転席からフロントタイヤのフェンダーの膨らみが見えるとか。単なる説明だけではなくて、「へぇー」と後から人に話せるようなことをお伝えできるようにしています。
― なんだか至れり尽くせりですね。
多くの方にマツダ車の魅力、東京の魅力を感じていただけるようにと思っていますので、ぜひご利用ください。
MAZDA TRANS AOYAMAは、まるで都会のオアシスのようでした。居心地が良すぎて、人に教えたいような教えてくないような(笑) 都心のカフェはどこも混雑するのが常ですが、ここは、特に平日は穴場と言っていいでしょう。ぜひ美味しいコーヒーとケーキを食べに。そしてもし気が向いたら、ぜひ試乗に申し込んで、マツダの世界観をたっぷりと味わってみてください。
■MAZDA TRANS AOYAMA
所在地: 東京都港区南青山5丁目6-19
営業時間: 午前8時30分~午後6時30分 (午前8時30分~午前10時00分 1Fカフェのみ営業)
定休日: 月曜日
問い合わせ先: 03-6450-6691
HP: https://www.mazda.co.jp/experience/mazda_trans_aoyama/
【著者Profile】
若林葉子/Yoko Wakabayashi
OLを経て、2005年からCar&Mototcycle Magazine『ahead』編集部在籍。2017年1月から3年半、編集長を務める。2009年からクロスカントリーラリーに挑戦を始め、2015年にはダカールラリーにHINO TEAM SUGAWARAのナビとして参戦した。現在はフリーランス。
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Drive! NIPPON編集部
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