
真夏のドライブは開放感があって最高ですよね! しかし、炎天下の車内は想像以上に高温になることをご存知でしょうか? それにより、うっかり車内に置きっぱなしにした物が、爆発や火災、劣化など重大なトラブルを引き起こす可能性もあります。
楽しいお出かけを安全かつ快適に過ごすために、ドライブ前に必ず覚えておきたい「車内に置いてはいけない危険なモノ」を詳しくご紹介します。この記事を読んで、今年の夏は安心してドライブを楽しみましょう。
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目次
夏の車内温度は50℃以上!

JAFが行ったユーザーテストの結果によると、外気温が35℃の晴れた日に、対策を一切しなかった黒いミニバンを4時間駐車した場合、車内の最高温度は57℃に達しました。車内全体の平均温度も51℃という高温になり、ダッシュボードに至っては最高でなんと79℃を記録しています。
このような過酷な環境では、人間やペットが熱中症になる危険性がとても高く、また、車内に放置されたさまざまな物品にも影響を及ぼし、事故を引き起こす可能性もあるのです。
出典:真夏の車内温度(JAFユーザーテスト) | JAF
(https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer)
車内に置いてはいけない危険なモノ10選 ①

それではここからは、夏場の車内に置いてはいけないモノを解説していきます。便利な小物が車内に放置すると大変危険なモノに変貌します。今回取り上げた10個のアイテムは、普段よく目にしている物や多くの方が日常で使っている日用品が中心です。車内環境を知り、改めて自分の車に何が置かれているのかチェックしてみましょう。
①スプレー缶

制汗剤や冷却スプレー、殺虫剤、日やけ止めといった、私たちの日常生活で頻繁に使用されるスプレー缶(エアゾール製品)は、噴射剤として可燃性の高圧ガスが使用されていることが多く、高温や火気にさらされると爆発や火災事故を引き起こすおそれがあります。
消費者庁はウェブサイトで、直射日光の当たる場所や40℃以上になる高温の場所にスプレー缶を置かないよう注意を促しています。特に、自動車のダッシュボードは、真夏だけでなく春や秋でも日が差すと65℃を超えることがあるため、年間を通して放置しないように意識づけておくとよいでしょう。
※出典:消費者庁ウェブサイト 8月に多いスプレー缶によるやけどや皮膚障害に注意
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_032/assets/consumer_safety_cms204_200807_01.pdf
②ガスライター

使い捨てライターには可燃性の高圧ガスが充填されていて、直射日光が当たる場所や高温になる場所に放置すると、爆発や破裂につながる危険性があります。実際、消費者庁には、自動車内に放置されていた使い捨てライターが爆発・破裂し、車内が焦げたり溶けたりした事故が報告されています。
また、車内に放置していた使い捨てライターがハンドルやシートの稼動部などの隙間に挟まったことが原因で発火するなどの事故も発生しているのだそうです。特に夏場は車内に放置しないことを徹底するとともに、年間を通して車内での使い捨てライターの扱いには十分注意しましょう。
※出典:消費者庁ウェブサイト
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170601_0001.pdf
③ワイヤレススピ-カー・ワイヤレスイヤホン

ワイヤレスイヤホンやワイヤレススピーカーは、BluetoothやWi-Fiなどの無線通信技術を利用してスマートフォンやパソコンからの音声データを受信し、音を出す製品です。多くの製品にはリチウムイオン電池が内蔵されており、誤った使い方や不適切な環境での使用は火災の原因となる可能性も。
過去には、ワイヤレスイヤホンの発熱によるやけどや火災、ワイヤレススピーカーの充電中の破裂・発火といった事故情報が消費者庁に寄せられています。事故や破損を回避するためにも、高温になる真夏の車内にこれらの製品を放置しないようにしましょう。ちなみにこれらの注意点は、リチウムイオン電池を搭載するパソコンやタブレット、スマートフォン、ゲーム機器など、他の電子機器にも共通して当てはまります。
④スマートフォン・モバイルバッテリー・パソコン

前項でも触れましたが、スマートフォンやモバイルバッテリー、ノートパソコンといったリチウムイオン電池(LIB)を搭載する製品は、その普及とともに製品事故が毎年増加しています。これらのLIB搭載製品は、高温となる場所に長時間放置すると異常が生じるおそれがあり、充電中のモバイルバッテリーが発火し周辺を焼損した事例や、ノートパソコンのバッテリーから出火した事例も。車のダッシュボードの上など高温になりやすい場所に置きっぱなしにすることは厳禁と覚えておきましょう。
もし、車内に置きっぱなしにしてしまった後で製品が充電できない、以前よりも熱くなる、外装が膨張している、不意に電源が切れるなどの異常がある場合は、すぐに使用を中止して販売元に相談するようにしましょう。
⑤消毒用アルコール

特に小さなお子さんをお持ちの家庭など、お出かけのときに消毒用アルコールを持ち運んでいる方もいるでしょう。消毒用アルコールを含む製品は、高温の環境下では容器の変形や液漏れを引き起こし、気化した成分によって引火する可能性があります。アルコールを含む化粧品も同様の危険性があるので、安全なドライブのためにも車内に置きっぱなしにすることのないように注意しましょう。
車内に置いてはいけない危険なモノ10選 ②
⑥お弁当などの食べ物

お弁当やテイクアウトグルメを持って遠出するのもカードライブの醍醐味のひとつですよね。しかし、夏場の車内は食中毒菌が繁殖しやすい温度に短時間で達してしまいます。生鮮食品はもちろん、一度加熱調理したお弁当でも、数時間放置するだけで菌が繁殖し、食中毒を引き起こす可能性があります。食中毒予防のためには、やはり低温を保つことが重要。クーラーバッグや保冷剤を利用して運ぶようにしましょう。
出典:政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント | 政府広報オンライン」
https://www.gov-online.go.jp/article/20110602/entry-8196.html
⑦乾電池入りおもちゃ

乾電池に含まれている化学物質は暑さや湿気に弱いため、高温多湿や直射日光の当たる場所での保管は避けるべきです。特に夏の車内のような高温環境に長時間放置すると、乾電池の性能が低下するだけでなく、破裂や液漏れを引き起こす危険性があります。
液漏れした電池の電解液が、おもちゃ内部の金属部分に触れることでショートし、発熱する可能性も。乾電池入りのおもちゃは車内に置きっぱなしにせず、涼しい場所で保管するように心がけましょう。
⑧メガネなどのプラスチック製品

メガネのフレームやレンズに使われる樹脂やプラスチックは熱に弱く、夏の車内のような高温環境に放置すると、変形したり、レンズのコーティングが剥がれたりする可能性があります。短時間であっても劣化が進む恐れがあるので、車内への置きっぱなしは避けるべきです。また、メガネのレンズが凸レンズの場合、太陽光を一点に集める「集光作用」で、ダッシュボードなどの可燃物を焦がし、火災の原因となる危険性もあります。車を離れる際は、メガネケースに入れて持ち歩くようにしましょう。
⑨ペットボトル

2024年の夏、静岡県浜松市で、水の入ったペットボトルが車内に置かれていたことが原因の一つとして考えられる車両火災が発生しました。出火原因として「収れん火災」の可能性が指摘されています。収れん火災とは、レンズや水の入ったペットボトルなどが日光を一点に集め、その熱で周囲の可燃物が発火する現象です。
消費者庁に寄せられた事故情報では、車内にシルバーマークを取り付ける際、100円ショップで購入した貼り付けるタイプの透明の吸盤を用いたことで煙が出たとの報告があります。通常、車内用で使われる吸盤はレンズのように光を集めないように、色付きか半透明のものが採用されていることが多いとのことです。特に日差しの強い夏場は短時間で発火に至る危険性があるため、収れんの原因となる鏡やガラス玉、透明球などの小物は車内に置かないよう注意が必要です。
※出典:消費者庁ウェブサイト
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_043/assets/caution_043_201126_01.pdf
⑩化粧品

化粧品は、品質を適切に保つために、直射日光の当たる場所や高温多湿の場所、激しい温度変化のある場所を避け、常温で保管することが推奨されています。
特に、日中の屋外に長時間駐車された車内は高温になりやすく、化粧品の成分が変質したり、液漏れや容器の破裂を引き起こしたりする原因に。お気に入りの化粧品を安全に使うためにも、車内に置きっぱなしにすることは避けましょう。
(まとめ)車内に危険なモノは無いか、家族みんなでチェックしましょう
今回ご紹介したように、日常で使用するアイテムのなかにも、高温の車内で予期せぬ事故や劣化を引き起こす危険性を秘めているものがあります。
危険性を理解し、車を離れる際は必ず持ち出す、あるいは適切な場所に保管するなど、安全対策を徹底して夏のドライブを快適に楽しみましょう!

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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