長野県
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謙信ずし(笹ずし)
飯山市富倉地域の里人が上杉謙信に献上したと伝えられる謙信ずし(笹ずし)は、雪国の古人の知恵とロマンをかきたてる郷土食です。ぜんまいやこごみ、わらびといった山菜やくるみなど、山の幸を具材とするところは、海のない信州ならではであり、特有の食文化が発達してきたことが窺えます。飯山市では、祝い事や祭りなどの行事があると、笹ずしを「晴れの食」としてもてなす習慣があり、喜ばれています。また、酢をきかせた飯を抗菌作用のある笹の葉にのせるため、高い防腐作用があり、直接笹の葉から食べるのが本来の食べ方とされるなど、保存食、携帯食に適しています。1553年から12年間にわたって争われた川中島の合戦に向う謙信の兵が食べたとされる言い伝えも納得です。平成12年に「長野県選択無形民俗文化財」、平成19年に「飯山市選択無形民俗文化財」に指定されており、地域の誇りとして今後も継承していきたい大切な食文化のひとつです。
飯山市・いいやま食文化の会
https://www.city.iiyama.nagano.jp/ -
矢島凍み豆腐
矢島凍み豆腐は、信州佐久の矢島地域の厳寒期特有の風土で生み出され、古来より冬の食卓を彩ってきた伝統食です。 その由来は、むかし、武田信玄が上杉謙信を攻めるために、はるばる甲州から兵を率いてやって来て、現在の佐久市矢島地域の西方にある虚空蔵山の頂で宿営をしました。この虚空蔵山は信州から甲州に戦況を知らせるために、信玄がのろしを上げる場所としていました。ここに信玄が宿営したとき、矢島城主の矢島某氏が、大将の食膳豆腐をだしたところ、ちょうど寒中であったので、豆腐はすっかり凍ってしまいました。信玄はこの凍った豆腐が美味であると誉めて、これを薄く切って凍らしたら良いだろうと農民たちに奨励したことが始まりといわれています。 矢島の凍み豆腐は、柔らかな舌触りで大豆のうま味があり、今では県内外から注文が寄せられ、期間と地域が限られるファンの多い逸品です。
農事組合法人矢島いきいき会
https://www.facebook.com/yashimatofu/ -
美味だれ焼き鳥
日本が高度経済成長期だった昭和30年代、上田市の産業も大きく発展し、まちは働く人の活気であふれていました。そんな時代に、とある店主が考案したのが「ニンニクベースの醤油だれ」をかけて食べる焼き鳥でした。この食べ方は、半世紀を超え、当たり前のものとして地元の味で楽しまれてきましたが、2010年に市民有志によって「美味(おい)だれ焼き鳥」と名づけられました。このたれは、創業当時から継ぎ足しているお店や、信州名物のリンゴなどをすりおろしてまろやかに仕上げているお店など、各店それぞれにこだわりの味となっています。また、「美味だれ」に使われている“たっぷりのニンニク”には、抗菌作用や疲労回復などの効果があります。半世紀に渡って市民に親しまれ、有志によって名付けられ新しい歴史が始まった、「美味だれ焼き鳥」は、今では地元の人だけでなく、上田市を訪れる多くの人々に親しまれる、ソウルフードです。
美味だれで委員会
https://oidareyakitori.jp/

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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