広島県
-
魚飯
現在の竹原市街地は、江戸時代に入ると干拓がすすめられ、これを塩田としたところ良質の塩を産出しました。竹原は1650年から300年以上もの間「塩の町」として大いに栄え、塩田の持ち主は「浜旦那(はまだんな)」と呼ばれ、塩田が生み出す富を背景に豊かな商人文化を竹原に根付かせました。「魚飯」はその「浜旦那」が来客時のおもてなしや祭事の料理として提供していたものといわれています。魚飯の定義は、白身魚を焼き、その身を取りほぐしたものと、彩りを美しくする旬の具材をご飯の上に盛り付けます。最後に白身魚からとっただし汁をかけて食べる料理です。魚飯は新鮮な材料と旬の食材を使い、料理人が竹原の歴史に思いを馳せ、心を込め、手間をかけてつくる料理です。魚飯の具材は、錦糸卵、三つ葉、しいたけ、えび、海苔やたけのこ、白身魚(鯛、ひらめ等)です。
竹原市
https://www.city.takehara.lg.jp/index.html -
府中味噌
江戸時代、山陰や中国山地の産物が石州街道を使って全国に運ばれ、その集散地として賑わった広島県府中市。米や大豆、塩など良質な原料がそろう環境に恵まれ、みそ醸造が盛んでした。かつては備後国の国府が置かれ諸国人の出入りが多く、福山藩主水野公が参勤交代道中の諸大名に白みそを贈呈したことがきっかけで、府中味噌の名は全国に知られるようになったと言われています。府中の白味噌はきめ細かで、透き通るような白色、風味豊かな低塩の甘口が特徴で、料理調味料として高級品扱いされてきました。昨今の料理離れ・和食離れの流れを受け、府中味噌も消費量が大きく落ち込み、蔵の廃業も進み、現在は3社を残すのみとなりました。400年以上の歴史をもつ「府中味噌」を継承していくため、海外への販路拡大や味噌を使った加工品を開発するなど、味噌の可能性を広げる新しい取り組みを行っているほか、味噌づくり体験の受け入れなども行っています。
府中味噌協同組合(任意団体)
https://www.fuchu-miso.jp/cooperative/ -
海軍ゆかりの食文化 ~海軍カレー・ビーフシチュー・肉じゃが~
明治期の日本は、天然の良港を持つ横須賀、呉、佐世保、舞鶴に軍港を築き、海軍の拠点である鎮守府を置きました。それまでは静かな農漁村であった地域に、最先端技術を集積し、海軍諸機関と共にインフラが急速に整備され、日本の近代化を推し進めました。海軍が地域にもたらしたものは、「食」にも見ることができます。海軍が栄養不足解消のために、西洋式の食事を取り入れたことが、日本における洋食の始まりと言われています。明治41年に海軍が発行した料理教科書『海軍割烹術参考書』には、100種類を超える西洋料理やお菓子のメニューが載っています。4市では、記されたレシピを元にした「海軍カレー」や「海軍さんのビーフシチュ―」、「海軍発祥と伝わる肉じゃが」などがご当地グルメとして愛され、世代や市の垣根を超えた継承と情報発信が行われています。海軍ゆかりの食文化は、4市特有の食文化として受け継がれ、人々に愛され続けています。
旧軍港市振興協議会
http://www.kyugun.jp/ -
備後府中焼き
戦後の高度経済成長期、共働きの家庭が増えた頃、おやつやごはん代わりに食べられていた備後府中焼きは、子どもの頃から親しまれている府中市民のソウルフードです。備後府中焼きの特徴は、牛や豚のミンチ肉を使ったそば入りのお好み焼きで、モヤシは入れず、ミンチの旨みとキャベツが一緒になることで、中はフワッと、外はミンチの脂でカリッとした焼き上がりになります。市内には備後府中焼きの店が点在し、B-1グランプリ出場やミシュランガイドに掲載されたこともあり、市民だけでなく観光客からも人気のご当地グルメです。より多くの方に備後府中焼きを知っていただくため、東京の神田小川町に府中市アンテナショップ「NEKI」でのPRや、備後府中焼きのマスコットキャラクター「ミンチュー」のイベント等での出演、府中市出身の元広島東洋カープの選手、片岡光宏氏を「備後府中焼き広報大使」として任命し、幅広い広報活動を行っています。
備後府中焼きを広める会
https://fuchuyaki.com/about/about-us/ -
三原焼き
広島県三原市では、昭和30年代初頭頃からお好み焼きの中に「鶏モツ」を入れて食べる食文化が存在しており、その個性的なお好み焼きは市内のお好み焼き店を中心に市民の間で広まり、現在では「三原焼き」という名称で親しまれております。三原焼きの特徴である「鶏モツ」は、鳥肝や砂ズリ、キンカン、玉ヒモなどがあり、お好み焼きの具材として使用することでそれぞれの違った食感を楽しみながら食べることができます。また、お好み焼きの中に「鶏モツ」を入れるようになった理由としては、三原市では昔から養鶏が盛んであったため、新鮮で栄養価の高い「鶏モツ」を手に入る環境があったからではないかと考えられております。平成26年には三原焼振興会が設立され、「三原焼き」を更に多くの市民の方に地域食としてより親しんでいただき、そして「三原焼き」を全国に発信し広げていくために、冷凍三原焼きの販売などの活動も積極的に行っております。
三原焼き振興会
http://miharayaki.com/

Posted by
Drive! NIPPON編集部
Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。