
車を手放すとき、大半の方が「下取り」と「買取」のどちらを考えると思います。これらは似ているようで、仕組みや価格のつき方は大きく異なります。この記事では、それぞれの特徴とメリット・デメリット、手続きに必要な書類について解説します。
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目次
「下取り」と「買取」の違いとは?

車を手放す際、主に「下取り」と「買取」という2つの選択肢がありますが、その仕組みは大きく異なります。
● 下取り:新車購入時、、販売店に現在の車を引き取ってもらい、その査定額を新車購入価格から差し引く方法
● 買取:車の購入とは無関係に、買取専門店などで車を売却して現金化する方法
「下取り」とは、新しい車を購入する販売店で、現在乗っている車を引き取ってもらう方法です。売却額は新しい車の購入代金の一部として充当され、実質的な値引きとして扱われます。購入と売却の手続きが一度に済むため、手間がかからない点が特徴です。
一方で「買取」とは、中古車買取専門店などに車のみを売却する方法です。新しい車の購入とは切り離された取引で、売却代金は現金(または銀行振込)で受け取れます。買取業者は中古車市場の相場や販売動向を踏まえて査定するため、車の価値が価格に反映されやすいのが特徴です。

下取りのメリット・デメリット

下取りのメリットは、購入と売却の手続きがスムーズな点です。
新しい車の購入と現在乗っている車の売却を同じ販売店で同時に進められるため、手続きの労力を大幅に削減できます。多くの場合、納車日まで現在の車に乗り続けることができ、名義変更などの手続きも販売店が代行してくれるため、手間がかかりません。
一方で、買取に比べて価格が低くなる傾向がある点がデメリットとして挙げられます。
下取り価格は、あくまで新しい車の購入代金からの「値引き」として扱われることが多く、中古車市場の相場が反映されにくい傾向があります。特に社外パーツなどのカスタマイズは評価されにくい傾向があります。また、査定基準が販売店ごとに異なり、価格交渉がしにくい点も懸念点と言えるでしょう。

買取のメリット・デメリット

買取のメリットは、市場相場を踏まえた“適正な価格”で評価してもらえる点です。特に人気車種や装備、社外パーツなどはプラス評価の対象となりやすく、その店の得意分野と合えば相場以上の価格がつくこともあります。
複数の業者に査定を依頼して比較検討でき、競争原理により価格が上がる可能性もあります。また、売却代金は現金または振込で受け取れるため、次の車の購入資金にするだけでなく、生活費や貯蓄など自由に使える点もメリットです。
一方で、買取のデメリットは手間や時間がかかることです。複数の店舗をまわったり、出張査定の対応をしたりする必要があるほか、売却と購入が別の手続きとなるため段取りを自分で調整しなければなりません。さらに相場変動のリスクを避けるため、査定後すぐに車を引き渡すことを求められることも多く、次の車の納車まで代車の手配が必要になるケースもあります。

下取りと買取、どちらが向いている?

手間をかけずに乗り換えたい方には、手続きが簡単な下取りが向いています。特に、純正の状態で、比較的新しい車であれば、ディーラーに一任することでスムーズな乗り換えが可能です。
一方で、価格を重視したい方には買取がおすすめです。社外パーツでカスタマイズしている車や、年式が古く下取りでは値段がつきにくい車でも、買取店であれば価値を見出してくれる可能性があります。
つまり、下取りは手続きが一度で済むため「手間や時間をかけずスムーズに買い替えたい人」に向いていて、買取は、下取りよりも高値がつく可能性があることから「価格を重視したい人」に向いているといえます。

下取り・買取に共通して必要な書類

車を手放す際は、共通して以下の書類が必要になります。
普通自場合の売却時の必要書類場
● 自動車検査証(車検証):その車が保安基準に適合していること(車検に合格していること)を証明する書類
● 自賠責保険証明書:法律で加入が義務付けられている自賠責保険に加入していることを証明する書類
● 自動車税納税証明書:毎年の自動車車税を納付済みであることを証明する書類
● 実印・印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの):実印が本人のものであることを公的に証明する書類
また、場合によっては「自動車リサイクル券」も必要です。手続きを業者に任せるための「譲渡証明書」や「委任状」も求められますが、これらは業者が用意してくれることがほとんどです。また車検証に記載された住所と現住所が異なる場合は、住民票が必要になります。書類に不備があると、入金や名義変更の手続きが遅れる可能性があります。査定を受ける前に必要な書類を確認し、準備しておくことをおすすめします。
(まとめ)自分に合った売却方法で次のカーライフへ
納得のいく取引にするためには、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身の状況に合わせて判断することがポイント。一般的には「手間を省きたい人」は下取り、「価格を重視したい人」は買取が向いています。
ただし、必ずしも「下取りは安く、買取は高い」というわけではありません。ディーラーのキャンペーンや交渉次第では、下取り価格がアップすることもあります。また、買取を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行うことで、より有利な条件を引き出しやすくなります。
どちらを選ぶ場合でも、相場を把握し信頼できる業者を選んで、新しいカーライフを気持ちよくスタートしましょう。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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