トップページ >特集

投稿日:2025.11.26 Wed

知っておきたいETCのおはなし2025年版Q&A

知っておきたいETCのおはなし2025年版Q&A

高速道路の利用をスムーズにしてくれるETC。今や多くのドライバーにとって欠かせない存在ですが、その仕組みやルールについて、「いまさら聞けない」ということもあるのではないでしょうか。この記事では、2025年時点でのETCの基本的な仕組みから、いざというときのトラブル対応まで、よくある質問にQ&A形式でお答えします。

Q1. ETCってそもそもどんな仕組み?

Q1. ETCってそもそもどんな仕組み?

ETC(自動料金収受システム)は、高速道路などの有料道路に設置された料金所を、停車することなく通過できるシステムです。車両に取り付けた車載器にETCカードを挿入し、料金所のアンテナと無線で交信することで、通行料金が自動的に決済されます。この仕組みによって料金所での支払いの手間が省けるため、スムーズな通行が可能になり、交通渋滞の緩和にも貢献しています。

Q2. ETC2.0とは? 

ETC2.0は、従来のETCが持つ自動料金収受機能に加え、渋滞回避支援や安全運転サポートといった、より高度な情報サービスを受けられる上位版のシステムです。全国の高速道路に設置された通信アンテナ「ETC2.0路側機」と対応する車載器が双方向で通信することで、最大1,000km先までの広域な道路交通情報を取得できます。

これにより、リアルタイムの渋滞情報を基にした迂回ルートの案内を受けたり、落下物や事故、災害などの情報を事前に音声や画像で把握したりできるようになりました。また、こうした交通データを活用した、より高度な道路交通システム(ITS)の構築にも貢献しています。さらに、一部の高速道路では、ETC2.0を搭載した車両を対象とした優遇措置も。例えば、指定された道の駅などを利用するための一時退出・再進入が無料になるといった優遇もあり、より便利に高速道路を利用できます。

Q3:古いETC車載器が使えなくなる? 2022年問題と2030年問題とは何?

Q3:古いETC車載器が使えなくなる? 2022年問題と2030年問題とは何?

古いETC車載器が将来的に使えなくなることに関しては「2022年問題」「2030年問題」としてよく話題になっています。

まず最初に話題に挙がったのが「2022年問題」。これは電波法の改正に関連するものです。一部の古いETC車載器が、当初2022年12月1日以降は使用できなくなるとされていましたが、この移行期限は「当分の間」延長されることになりました。現時点では使用できますが、いつ使用ができなくなるかはわかりません。

「2030年問題」は、ETCシステムのセキュリティ規格が変更されることによるもの。将来のセキュリティ脅威に備えるため、国土交通省は規格の更新を予定しており、旧規格の車載器は最長で2030年頃には使用できなくなる見込みです。ただし、セキュリティ上の大きな問題が発生した場合は、この期限が前倒しになる可能性も示されています。

お使いの車載器がこれらの問題に該当するかどうかは、車載器の管理番号や型式から確認できます。これから新たに車載器を装着する際は、長く使える新セキュリティ規格に対応した製品を選ぶようにしましょう。

参考:国土交通省「旧スプリアス規格に基づいて製造されたETC車載器について」
(https://www.mlit.go.jp/road/yuryo/etc/spurious/index.html)
参考:国土交通省「ETC利用案内:よくあるご質問(セキュリティ規格の変更について)」
(https://www.mlit.go.jp/road/yuryo/etc/security/faq.html)

Q4. 中古車を購入したとき、ETCはそのまま使える? 再セットアップしなかった際のデメリットは?

Q4. 中古車を購入したとき、ETCはそのまま使える? 再セットアップしなかった際のデメリットは?

中古車にETC車載器が装備されている場合、そのまま使えてしまうこともあります。しかし、原則として車両情報を更新する「再セットアップ」の手続きが必須です。

ETC車載器には、通行料金を正しく算出するために、ナンバープレートや車種区分といった車両情報が登録されています。前オーナーの情報が残ったままでは、適正な利用ができません。もし再セットアップをせず利用した場合、ETCレーンで開閉バーが開かなかったり、各種割引が適用されなかったりする可能性も。最悪の場合、意図せず「不正通行」と見なされるリスクもあるため、必ず手続きを行いましょう。

再セットアップの手続きは、中古車を購入したときのほか、引っ越しでナンバープレートが変わった場合や、車載器を別の車に付け替えた場合などにも必要です。この手続きは、自動車ディーラーやカー用品店といった店舗で依頼でき、費用は2,000円前後が目安です。

Q5. ETCカードを紛失したらどうすればいい?

Q5. ETCカードを紛失したらどうすればいい?

ETCカードを紛失した際は、第三者による不正利用を防ぐため、落ち着いて迅速に対応することが大切です。対応の主な流れは以下の通りです。

1. カード発行会社に連絡し利用を停止する
2. 最寄りの警察署へ遺失届を提出する
3. カード会社に再発行を依頼する

ETCカードは暗証番号が不要なため、速やかにカードの機能を無効にすることが最も重要です。また、カード会社によっては、警察への届出が不正利用された際の損害補償の条件になることもあります。

カードの再発行は、利用停止の手続きと同時に依頼できます。新しいカードが届くまでは1~2週間ほどかかるのが一般的なので、その間は現金やクレジットカードで料金を支払いましょう。なお、利用停止後に紛失したカードが見つかっても、すでに無効化されているため使用することはできません。見つけたカードはハサミで切るなどして、確実に破棄してください。

Q6. ETCカードの有効期限が切れるとどうなる?

有効期限が切れたETCカードは利用できません。期限切れのカードを車載器に入れたままETCレーンに進入すると、開閉バーが開かず、後続車との追突事故を引き起こす恐れがあるため大変危険です。

ETCカードは基本的に自動更新され、有効期限の1カ月ほど前に新しいカードが登録先の住所へ届きます。もし有効期限が近づいてもカードが届かない場合は、カード会社に登録している住所情報が古いままになっている可能性があります。引っ越しなどで住所が変わった場合は、速やかにカード会社へ届け出ましょう。

Q7. ETCのメンテナンスや点検は必要?

Q7. ETCのメンテナンスや点検は必要?

ETCのトラブルで多いのが、カードの読み取り不良や通信エラーです。これらは、以下のような原因で発生しやすく、ゲートが開かないといった危険な状況につながることがあります。

● 車載器内部のカード接点へのホコリの蓄積
● ETCカードのICチップの汚れ
● アンテナの配線の緩み

トラブルを防ぐため、普段あまりETCを利用しない場合でも、年に一度はカードを挿入して、作動ランプや音声案内が正常かを確認しましょう。カードのICチップが汚れている場合は、乾いた柔らかい布で優しく拭いてください。もし動作に不安を感じる場合は、カー用品店などで点検してもらうとよいでしょう。

Q8. ETCカードと車載器の名義が違っても使える?

Q8. ETCカードと車載器の名義が違っても使える?

ETCカードと車載器の名義が異なっていても利用できます。ETCカードは「人」に、車載器は「車」に紐づいているため、両者の名義が一致している必要はありません。レンタカーや友人の車のETC車載器に、ご自身のETCカードも問題なく使用可能です。
一方で、最も注意すべきなのはカードの「貸し借り」です。カード会社の規約により、ETCカードを利用できるのは名義人本人に限られています。たとえ家族であっても、自分名義のカードを他人に貸すことは規約違反。

ご家族が利用したい場合は、本カードに紐づく「家族カード」を発行するのがおすすめです。法人カードを業務で利用する場合も、社員ごとにカードを発行する必要があります。

(まとめ)正しく使って快適ドライブを

高速道路でのドライブをよりスムーズで快適にしてくれるETC。その仕組みはシンプルですが、カードの有効期限を把握することはもちろん、車載器の再セットアップなど、安全に使い続けるためには知っておくべきルールがいくつかあります。

いざというときに慌てないためにも、この記事で解説したような基本的な知識を身につけて安全で快適なドライブを楽しみましょう。

Posted by

Drive! NIPPON編集部

Drive! NIPPONは、「クルマでおでかけするすべての大人たちへ」をコンセプトに、日本各地の魅力的な観光関連情報の発信とともに、素敵な「ドライブ」「旅行」「おでかけ」を演出する様々なサービスを提供していきます。

» language / 言語