
夕暮れ時は視界が急に悪化し、交通事故が多発する時間帯です。自分は大丈夫と思っていても、気づかない内にスピードを出し過ぎていたり、歩行者の発見の遅れなどによって、事故を起こしてしまう可能性も。そこで、今回は薄暮時間帯に起こりやすい事故の特徴と、防止のためのポイントを紹介します。
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目次
薄暮時間帯とは?

薄暮時間帯とは、日の入り前後のおよそ1時間を指し、季節や地域によって時刻は変わります。この時間帯は明るさが急激に変化し視界が不安定になるため、ドライバーにとって歩行者や自転車を見落としやすく、また歩行者側も車の接近に気づきにくいことが特徴です。
警察庁の統計によれば、薄暮時の死亡事故率は昼間のおよそ2倍に達し、特に10月から12月にかけて多発する傾向にあります。事故を防ぐには、早めのライト点灯や速度を控えめにするなど注意を怠らないことが大切です。
出典:警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html
薄暮時間帯に多い事故の特徴

薄暮時間帯は日中から夜間へと移り変わるため視界が不安定になりやすく、運転者と歩行者の双方に注意力が低下しやすい傾向にあります。ここでは、特に多い事故として「歩行者の横断事故」「自転車との接触」「追突事故」について解説します。
①歩行者の横断事故
車と歩行者の事故は、横断するときに多く発生しているのが特徴です。警視庁のデータによると、薄暮時間帯で車と歩行者の死亡事故は約8割が横断中に発生しています。事故の原因は横断歩道での見落としだけでなく、歩行者が横断歩道以外の道を横断するなどの場合もあります。
出典:警視庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/img/hakubo/7-3.pdf
②自転車との接触
薄暮時間帯は視界が不十分になり、特に無灯火の自転車はドライバーから発見しにくいため接触事故が起こりやすくなります。交差点では右折車と直進自転車の衝突も増える傾向があり、さらに路地から突然自転車が飛び出してくる可能性も否定できません。こうした多様な状況を常に想定し、慎重な運転を心がけることが事故防止につながります。
③追突事故
薄暮から夜間にかけては前方の状況を見落としやすくなるため、追突事故の危険が高まります。ブレーキランプの点灯に気づくのが遅れ、反応が間に合わず衝突につながるケースも少なくありません。また、暗さによって速度感覚が鈍り、気づかないうちに速度超過となることも多く、死亡事故につながりやすいのも特徴です。
薄暮時間帯の事故防止ポイント

ここでは事故の多い薄暮時間帯の事故を未然に防ぐポイントを紹介します。事故が起こりやすいことを改めて知ること、そして「早めのライト点灯」と「スピード控えめ」など、ドライバー自身の心がけが大切です。
①早めにライトを点ける

日没の30分前を目安にライトを点けることで、前方を照らすだけでなく自分の車を周囲に知らせる効果があります。早めのライト点灯を心がけましょう。
他の車だけでなく、歩行者や自転車に乗る方へのアピールにもなります。最近の車はオートライトが義務化されており、ドライバーの無灯火によるリスクも軽減できています。
②速度を落として運転

昼間に比べて薄暮時間帯や夜間は周囲が暗く、速度感がつかみにくいのが特徴です。自分ではゆっくり走っているつもりでも、実際は速度超過になっている場合もあります。そのため、走行時はスピードメーターでしっかりと速度を確認しましょう。
スピードを控えれば制動距離を短く保てるだけでなく、万が一歩行者や自転車が突然飛び出してきても、落ち着いて回避や停止の判断がしやすくなります。
③歩行者・自転車に注意

交差点や横断歩道付近を走行するときは、歩行者や自転車に注意を払う必要があります。特に子どもや高齢者は予測できない動きをすることが多く、不意の横断に備えて減速しておくことが大切です。
また、警視庁の車と歩行者の事故統計では横断歩道で30%、横断歩道以外が70%と横断歩道がない場所での事故が多いため、ドライバーはどんな道でも安全運転を心がけましょう。
出典:警視庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/img/hakubo/7-3.pdf
④ミラーやガラスを清潔に保つ

車のミラーやガラスを清潔に保つことも事故を未然に防ぐポイントです。フロントガラスやサイドミラーに汚れが付着していると、西日や対向車のヘッドライトが反射して視界を妨げ、危険を増大させます。
外側だけでなく内窓の清掃も忘れずに行うことで、よりクリアな視界の確保が可能。日常的な点検とメンテナンスを心がけ、視界不良による事故を未然に防ぐ意識が大切です。
歩行者や自転車に乗っている時に気を付けたいこと

ご自身が歩行者、自転車に乗る立場だった際も気を付けたいポイントがあります。たとえば明るい色の服装を選んだり、バンドやたすきなどの反射材を身につけることで車から発見されやすくなります。また、自転車に乗る際は必ずライトを点灯し、自分の存在を周囲に知らせることもポイント。また歩行者は横断歩道を渡るといった交通ルールを守ることも大切です。
(まとめ)薄暮時間帯は“危険時間”と意識して運転を
薄暮時間帯はドライバーにとって視界が悪く、交通事故が特に発生しやすい危険な時間帯です。ドライバーは日没前から早めにライトを点灯し、交差点や横断歩道付近では慎重に安全確認を行いましょう。
歩行者や自転車に乗る立場になった際は、明るい服装や反射材の使用、ライト点灯などで自分の存在をアピールすることが大切です。車を運転している時、歩行者の立場である時をそれぞれ想像し、注意を怠らないことが薄暮特有のリスクを減らすことにつながります。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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