
夜間の道路は昼間に比べて見通しが悪いため、事故のリスクが高まります。安心して夜間ドライブを楽しむためには、ヘッドライトやブレーキランプの点灯状態など、事前に点検することが大切です。今回は夜間走行で必要な事故を防ぐための注意点と事前チェックポイントについて解説します。夜間走行のリスクを理解し、安全にドライブを楽しめるように学んでいきましょう。
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目次
夜間走行で注意すべきポイント

夜間の道路は昼間に比べて交通量が少なくなるためスピード超過が起こりやすく、昼間に比べて視界が悪いことから、歩行者や自転車の姿が見え辛いため、思わぬ事故につながる危険性があります。警察庁の統計によれば、薄暮時間帯・夜間の死亡事故率は、17時台から19時台が最も多く、自動車と歩行者の衝突する事故は4割以上ある結果になっています。
夜間走行では速度を控えめにし、ヘッドライトのロービーム、ハイビームを適切に使い分け、車間距離を十分に取ることも重要です。そこでこの章では、夜間走行で注意すべきポイントについて紹介します。
出典:警察庁ウェブサイト
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/highbeam.html
①ヘッドライトを適切に使い分けよう

夜間走行において特に重要なのがライトの正しい使用です。道路状況や周囲の環境に応じて、ロービームとハイビームを適切に切り替えることが事故防止につながります。街灯が少なく暗い道では、ハイビームを活用することで歩行者や自転車を遠くから確認でき、早めの回避行動が可能になります。
しかし、ハイビームは対向車や前方車両の運転者の視界を奪う可能性があるため、すれ違い時や直後を走行する際には必ずロービームに切り替えましょう。市街地のように交通量の多いエリアでも同様にロービームの使用が基本です。
周囲の明るさや対向車を車が感知してハイビームを切り替える「オートハイビーム」が装着されている車は、活用するのも手です。また近ごろは、先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光する「アダプティブハイビーム」を搭載する車も増えてきました。
霧や雨で視界が悪化する場合はフォグランプや補助灯を併用することで安全性が高まります。加えて、ライトの光軸のずれやレンズの汚れなどがあると照射範囲が狭まり危険を招くため、定期的な点検と清掃をすることも大切です。
②スピードのコントロール

夜間走行では視界が昼間より大幅に制限されるため、スピードのコントロールが安全確保の大きな鍵となります。制限速度を守るのは当然ですが、暗闇では歩行者や自転車を発見するのが遅れがちになるため、スピードを抑えて走行することも大切です。カーブや交差点など、先の見通しが悪い場所ではさらに減速し、万一の飛び出しにも対応できるよう心がけましょう。速度を抑えることで運転者自身の視野も広がり、冷静な判断を下しやすくなります。
③歩行者・自転車への配慮

夜間走行で特に注意すべきなのが歩行者や自転車への配慮です。暗い色の服を着た歩行者は街灯の少ない道では視認が遅れやすく、発見した時にはすでに回避が難しい状況になることもあります。さらに、自転車の中には無灯火で走行するケースもあり、突然進路上に現れる危険性を考慮しなければなりません。
そのため、運転者は周囲の確認を怠らないことはもちろん、早めに前照灯を点灯して視界を確保することが大切です。ライトを灯すことで歩行者や自転車をいち早く見つけられるだけでなく、自分の存在を周囲に知らせる効果も生まれます。
④対向車のライト対策

夜間走行で注意すべきポイントのひとつに、対向車や後続車のライトによるまぶしさ対策があります。強い光を真正面から受けると一時的に視界を奪われ、反応が遅れて事故につながる危険性も。
対向車のライトが眩しいと感じたときは、ライトを直視しないようにし、進行方向のやや左下、先の路面に視線を移すことで眩しさを軽減し、走行ラインを保つようにしましょう。また、後続車がハイビームを点灯したまま接近している場合には、ルームミラーの防眩機能を活用することも有効です。
⑤休憩と眠気対策

眠気を生じやすい時間帯は、午前2時、午後2時付近という研究機関による報告があります(※1)。とくに景色が変わらない、同じ運転操作が続く高速道路を走っている時は、集中力の低下が起こりやすい傾向にあります。夜間のロングドライブではこまめにリフレッシュ休憩をとるようにし、眠い時はサービスエリアやパーキングで仮眠をとるようにしましょう。またコーヒーなどのカフェインを摂取することで、眠気を覚ます効果も期待できます(※2)。
※1出典:中部地方整備局ホームページ https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/gian/hoan/mission1st-202507.pdf
※2出典:政府広報オンラインhttps://www.fsc.go.jp/visual/kikanshi/k_index.data/vol51_all.pdf
⑥悪天候時の追加注意

悪天候の夜間走行では、雨や霧、雪によって視界が著しく悪化し、さらに路面の反射やスリップの危険性が高まります。そのため、普段以上に車間距離を十分に確保し、急なブレーキやハンドル操作を避けることが重要です。またライトを早めに点灯して自分の存在を周囲に知らせることも安全運転のポイントです。
万が一、対向車線から水しぶきが飛んできて、視界が奪われたとしても、慌てずにハンドルをしっかりと持ち、視界が回復するまで落ち着いた運転で対処しましょう。悪天候時の高速道路では、左車線を走行することをおすすめします。
夜間走行を安全にするための車両チェック
夜間走行を安全にするためには、ライトやタイヤ、フロントガラスなどの点検や清掃が大切です。そこでここでは、自分でできるチェックポイントを紹介します。
①ライト類の点灯・点滅確認

夜間走行の安全を確保するためには、ライト類の点灯・点滅確認が欠かせません。まず、ヘッドライトはハイビームとロービームの両方を点灯させ、正常に照射されるかを確認します。テールランプは、ヘッドライト点灯時に尾灯として点くか、ブレーキをかけたときに制動灯として反応するかをチェック。また、ウインカーはハザードスイッチを作動させて左右の点滅を確認し、クリアランスランプについても車幅のみ点灯するモードとヘッドライトと同時に点灯するモードの両方を確かめることが大切です。
②フロントガラスとミラーの清掃

夜間走行の安全性を高めるためには、フロントガラスやミラーの清掃も重要です。特に、ガラスに油膜が付着していると、対向車のヘッドライトの光が乱反射して見え辛くなります。また雨を弾きにくくなるので、夜の雨の日はますます視界不良になるはずです。油膜は、大気中の油分や排気ガス、ボディのワックスなどが原因で付着しますので、油膜クリーナーなどを使って除去をしましょう。時間が無い方は専門店に油膜除去を依頼することも可能です。
(まとめ)安全な夜間ドライブを楽しむために
夜間走行は昼間に比べて視界が制限され、歩行者や自転車、路面状況などのリスクが高まります。しかし、走行前にしっかりと車の点検や確認、スピードのコントロールや休憩の取り方など、正しい知識を身につけることで安全性は大きく向上します。
また、同乗者や家族と協力して運転中の確認や休憩のタイミングを共有することで、より安心して夜のドライブを楽しむことが可能です。ぜひこの記事を参考に、安心・安全な夜のドライブをしていきましょう。

Posted by
Drive! NIPPON編集部
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