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投稿日:2021.11.16 Tue

“発酵のまち”で蔵めぐり!新潟・長岡市の摂田屋でレトロな風情を愉しむ

“発酵のまち”で蔵めぐり!新潟・長岡市の摂田屋でレトロな風情を愉しむ

“発酵・醸造のまち”として知られる新潟県長岡市摂田屋地区。江戸時代に幕府の直轄領となったことから、そのご領地として醤油・味噌・日本酒などの醸造業が発展してきました。長年、地域の食を支えてきた摂田屋エリアですが、2020年オープンした「摂田屋6番街発酵ミューアジアム米蔵」を起点として、人々が集まる観光地としても注目を浴びています。
摂田屋地区にある蔵元は全部で5つ。そのどれもが歩いて行ける距離にあり、まちあるきを楽しみながら蔵めぐりができるのが魅力です。明治・大正時代の建物が残るまちなみはノスタルジックな雰囲気で、散策するだけでも心が弾むこと間違いなし。情緒あふれる摂田屋で、ぜひ発酵の魅力を体感してみてください。

発酵の情報発信基地「摂田屋6番街発酵ミュージアム米蔵」

発酵の情報発信基地「摂田屋6番街発酵ミュージアム米蔵」

“発酵・醸造のまち”である長岡市摂田屋の交流拠点として、2020年秋にオープンした「摂田屋6番街発酵ミュージアム米蔵」。地元食材を活かしたテイクアウトできるカフェや発酵ショップ、発酵について学べるラボ、地元絵本作家・松岡達英さんの絵本コーナーなどがあり、ゆったりと楽しめる場となっています。スタッフは摂田屋地区の発酵情報に詳しいので、まちあるきをする前に知りたいことがあればぜひ聞いてみて。
建物内にあるカフェ「おむすびと汁と茶 6SUBI」では、新潟の発酵食材を活かしたおむすびや味噌汁を提供。「玄米甘酒豆乳」「発酵レモンスカッシュ」などドリンクメニューも豊富です。毎月第4日曜8~11時は敷地内にて朝市「摂田屋SUNDAY GOOD MORNING MARKET」を開催(冬季はお休み)。発酵フードやハンドメイド作品のブースが並び、集まる人々との交流でなごやかな時間が流れます。

■新潟県長岡市摂田屋4-7
■TEL:0258-86-8545
■定休日:火曜
■営業時間:9:00~17:00
■駐車場:43台

SAKEバーや酒造り体験ゲームも楽しめる!「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵』」

SAKEバーや酒造り体験ゲームも楽しめる!「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵』」

創業から470年の歴史を持つ老舗蔵元「吉乃川」。日本酒の魅力をたくさんの人たちに知ってもらいたいと2019年にオープンしたのが「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵』」です。大正時代に建設された築100年の倉庫を改装した建物は、天井に鉄骨が三角形で組まれためずらしい工法を施しているのが特徴で、モダンな空間が広がっています。
吉乃川の全商品がそろう売店では、季節限定酒や店舗限定の「醸蔵 生原酒」も販売。甘酒や純米酒を使用した漬物、徳利などのグッズも手に入ります。蔵元自慢の日本酒を試飲したい方は「SAKEバー」がおすすめ。8種類のお酒を800円(30分フリーテイスティング)で気軽に味わうことができ、さらに別途有料で限定の特別酒もいただけちゃいます。その他、吉乃川の歴史や酒造りについての展示コーナーや、タブレットを操作して酒造りを体験するゲームもあり、大人も子供も楽しめる空間です。

■新潟県長岡市摂田屋4-8-12
■TEL:0258-77-9910
■定休日:火曜・年末年始(火曜が祝日の場合は翌水曜休み)
■営業時間:9:30~16:30 ※入館無料(10名以上の場合は要予約)
■駐車場:40台(醸蔵前にある無料の市営駐車場)

お米のうま味を感じる飲み飽きない日本酒「長谷川酒造」

お米のうま味を感じる飲み飽きない日本酒「長谷川酒造」

約180年間の長い歴史の中で日本酒を造り続けてきた「長谷川酒造」。ほぼすべての工程を手づくりで行い、杜氏や蔵人たちが知恵と勘を絞り出し、その年に採れたお米の魅力を最大限に引き出すことで上質な味わいを生み出しています。
代表銘柄は「越後 雪紅梅」。大吟醸や純米酒、普通酒、生酒など約20種類の幅広いラインナップで、選ぶ楽しさを感じられます。季節限定商品として、11月中旬~3月30日には「越後雪紅梅 初しぼり純米無ろ過生原酒」を販売。しぼりたてのお酒をろ過せず、火入れも加水も一切なしの若々しく力強い味わいは冬限定の贅沢な美味しさ。長岡の四季の風景がラベルに描かれた「四季を旅するお酒」は旅のお土産にぴったり。春は悠久山の桜、夏は長岡花火、秋は稲刈り、冬は酒蔵の雪景色と情緒を感じるお酒のギフトは、きっと誰からも喜ばれるはずです。

■新潟県長岡市摂田屋2-7-28
■TEL:0258-32-0270
■定休日:土・日曜、祝日
■営業時間:10:00~16:00
■駐車場:2台

黄綬褒章受章の蔵人の技を継承、味わい深い越後味噌「星野本店」

黄綬褒章受章の蔵人の技を継承、味わい深い越後味噌「星野本店」

江戸時代後期から続く老舗味噌蔵「星野本店」。玄関口では、かつて使用していた風情のある杉桶が展示され、その長い歴史を感じることができます。工場に併設されたショップでは、味噌や醤油、こうじ漬けの素、味噌漬けなどを販売。蔵の梁を再利用したテーブルやイスが設置されており、まちあるきの休憩場所としても利用できます。
「星野本店」のコンセプトは「本物の味」を伝えること。大豆・米・こうじの扱いに精通した蔵人が、発酵熟成期間を見極めながら、深みのある味と香りを大切にした越後味噌を生み出しています。1996年には前工場長が黄綬褒章を受章し、その卓越した技術を継承し続けているのも特長。大豆を豊富に使った赤味噌「越後ふるさと味噌」や淡色味噌「白雪」など、好みに応じて選べるのも嬉しいです。多種類の味噌や醤油の味比べができるギフトセットもおすすめ。

■新潟県長岡市摂田屋2-10-30
■TEL:0258-33-1530
■定休日:日曜、祝日/不定休:土曜
■営業時間:9:00~17:00
■駐車場:5台

木桶でじっくり発酵熟成させる天然醸造の味噌「味噌星六」

木桶でじっくり発酵熟成させる天然醸造の味噌「味噌星六」

明治30年に星野本店から分家して誕生した「味噌星六」。農家と直接契約した国産の大豆や米を使用し、昔ながらの手づくりの製法にこだわっています。大きな杉の木桶でじっくりと発酵熟成させるのが味噌星六流。この木桶に住みつく無数の微生物たちが、うま味やコク、奥深い味わいなど、独自の味を生み出すヒミツです。長期に渡る天然醸造のため塩分は13%。無添加でつくる長期熟成味噌は、力強く濃厚な味わいを楽しめます。
基本ラインナップは4種類あり、有機JAS認定米や契約栽培大豆使用の「こだわり味噌」、米麹×豆麹の「昔造り味噌」、米麹の甘みを感じる「米麹味噌」、新潟では珍しい「麦味噌」でどれも個性的。それぞれ1年物、2年物、3年物の中から選ぶことができ、発酵することで味わいが変わる味噌のおもしろさを感じることができます。

■新潟県長岡市摂田屋4-5-11
■TEL:0258-32-6206
■定休日:日曜
■営業時間:9:00~18:00
■駐車場:5台

ロングセラーのだし醤油を生んだ醸造元「越のむらさき」

ロングセラーのだし醤油を生んだ醸造元「越のむらさき」

江戸時代から190年続く醤油蔵「越のむらさき」。昔懐かしい木造建物のかたわらには、レンガ造りの煙突がまちのシンボルとして佇み、叙情的な景観を楽しめます。敷地内にある、商売繁盛や子宝安産のご利益を授かれるといわれる竹駒稲荷にも注目。ぜひ立ち寄って、お参りをしてみてください。
蔵元自慢の看板商品は、風味豊かなだしをブレンドした醤油「越のむらさき」。国内産の最高級カツオ節を使用した上品な味で、煮物、炒め物、刺身などあらゆる料理に万能に使うことができます。新潟県内ではだし醤油といえば「越のむらさき」というイメージが定着しており、長年人々に親しまれてきた“地元の味”です。店舗ではその他にも、丸大豆天然醸造の昔づくりの濃口醤油やさっぱりとした風味の薄口醤油、濃縮2倍の八方つゆなども購入できます。

■新潟県長岡市摂田屋3-9-35
■TEL:0258-32-0159
■定休日:土曜・日曜・祝日
■営業時間:8:30~17:00
■駐車場:5台

~まとめ~

5つの蔵を巡ったら、「摂田屋6番街発酵ミューアジアム米蔵」の隣にある歴史的文化財「機那サフラン酒本舗」にもぜひ訪れてみてください。緻密な細工が施された建物は圧巻! 土・日曜・祝日は館内に入ることもできます。
美味しい発酵ごはんを食べて、日本酒で酔いしれ、醸造文化に浸る充実したひととき――発酵・醸造のまちである摂田屋で、特別な時間を過ごしてみてくださいね。

(文:渡辺まりこ)

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Drive! NIPPON編集部

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