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着物に興味を持ちはじめたのは、30代半ば頃でした。
着付け教室に通って自分ひとりで着られるようになってからは、食事会やら旅行やらと着物で出かけていたのですが、新型コロナによって激減。「着物を着る機会をつくりたい!」と茶道教室へ通いはじめて一年半。今では「今日はどの着物にしようかな?」と、季節に合わせたコーディネートを楽しんでいます。

最近つくづく思うのは、着物って「究極のSDGsな装い」だということ。地球温暖化が深刻な問題となり、あちこちでサステナブルな暮らしへの意識が高まる昨今。長年にわたって着られる着物は、その代表格といえます。

理由は
・洋服のようにめまぐるしい流行がないので、昔の着物でもオシャレに着こなせる
・体型が変わっても、帯で調整できるので融通が利く
・着なくなった着物はバッグや洋服へリフォーム、または染め直しできる
などなど。

「いや、でも着物ってお高いでしょ? 手入れだって大変でしょ?」
えぇっと………まぁ、はい。その通りです。

が! ちょっと待ってください! 聞いてくださいよ、奥さん!
(いきなりテレビショッピング風)

なにもお誂え(お仕立て)だけが着物ではありません。実家のタンスに眠っているお母さんやおばあちゃんの着物、成人式の振袖を探してみる。あるいは着物専門のリサイクルショップやインターネット販売でも、なかなかのお値打ち品が見つかります。袖や身丈が合わないときは補正してもらえますし、多少サイズが合わない程度なら、意外と周りには気づかれないものです。

絹の着物は自宅で水洗いできないので、中に着る肌着や襦袢(じゅばん)をお手入れしますが、私は洗える素材をチョイス。洗濯機のドライコースで洗っています。綿や麻、ポリエステルといった洗える素材の着物を選んでみても。

ふんぱつした着物は子や孫の代まで受け継ぐことができて、長い目で見ればリーズナブル。ちなみに画像の着物は、亡き母が花嫁道具として持参したツヅラに入っていたもの。10年以上前に偶然見つけ、何十年も眠っていたとは思えないほど艶やかな光沢に驚いたのでした。当時、母に尋ねてみたものの、着物の存在すら知らず。しかも母の身長には大きく、私の背丈にジャストサイズ。なんとも不思議ですが、以来、お気に入りの一枚となっています。

「襟を正す」とは、着物から派生した言葉ですが、まさにその通り。着物を着ると自然と背筋が伸び、身も心も引き締まります。

日常にハレの気分をもたらしてくれる着物生活。よかったらご一緒に楽しみませんか?

Posted by

三角由美子 Yumiko MISUMI

東京・熊本でフリーペーパーの編集者を経て、フリーライターとして活動(熊本在住)。畳職人の長女として生まれ育ち、現在も畳のある暮らし。きもの・漆器・和菓子・お香・仏像・寺院巡りなど、ニッポンの伝統文化にトキめいています。
著書/『熊本カフェ散歩』、『くまもとの海カフェ山カフェ』

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