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夏目漱石をはじめ、数々の文豪に愛された伊豆修善寺温泉。桂川と清々しい竹林の小径が織りなす光景は、伊豆の小京都とも称されます。そんな山間の温泉街から車で2分、静かな里山に溶け込むように佇むのが「柳生の庄」。東京芝白金の料亭「柳生」を原点にし、日本の里らしい修善寺の風情に魅かれて開いたという隠れ宿です。心のかようおもてなしとともに、職人技の美、日本料理、名湯をじっくりと味わってみませんか。

数寄屋造の侘び寂びに心洗われて
庭園や小さな滝を眺められるロビーでウェルカムドリンクのお抹茶をいただきながら、非日常の世界へ。「柳生の庄」は10年前に全館リニューアルし、本数寄屋造に生まれ変わりました。名左官職人の監修のもと、延べ1000人以上の職人が仕上げた土壁は実に見事で、茶の文化ならではの侘び寂びを随所で感じられます。創業者が剣道を嗜むことからつくられた剣道場「柳生館」もあり、展覧会や落語会などのイベントが開かれています。

四季折々の自然を眺める美肌の湯
「柳生の庄」の浴場を満たす元湯は、807年に開湯した修善寺温泉。肌がすべすべになる弱アルカリ性(PH8.5)で化粧水成分のメタケイ酸を含むことから、“美肌の湯”と呼ばれています。有名な剣豪と恋人の名を付けた大露天風呂「武蔵の湯」「つうの湯」で、竹林や紅葉などの自然を眺めてリラックス。何度も名湯を楽しみ、美の効能にあやかりたいですね。湯上がり後は隣の東屋でひと休みし、冷たい修善寺温泉水でのどを潤しては。

料亭の粋を生かした、伊豆の美食
割烹料理と京懐石の粋を生かした美しい日本料理の数々。東京芝白金の料亭「柳生」から受け継がれる「温石焼」や「胡麻豆富」、庭の竹でつくった器に地元の鮎やアマゴを豪快に盛り込んだ「柳生一刀竹盛」などがタイミングよく提供され、趣向を凝らした盛り付けにも心躍ります。山海の幸に恵まれた伊豆の美食を、静かなお部屋でゆったりと。朝食もお部屋出しで、その場でお味噌汁を仕上げてくれるこだわり。お味噌の香りが食欲をそそります。

設えや景色、お風呂まで異なる15の客室
職人技の技は全15室ある客室にも息づいています。間取り・設えがすべて異なるほか、窓からの景色も、竹林あり、鯉が泳ぐ池ありと趣さまざま。里山を生かしたロケーションのため、聞こえるのは鳥のさえずりやせせらぎの音だけ―ふわりと程よく力が抜け、五感が研ぎ澄まされていくようです。各部屋には石組みの露天風呂や半露天、内湯のいずれかがあり、存分に湯浴みができるのも魅力。「別のお部屋にも」と次の逗留が楽しみになります。
