【新潟・十日町ドライブ】越後里山の美景に癒される（大人の秋旅Vol.5）

星峠の棚田　写真提供：(一社)十日町市観光協会　

大人の秋旅Vol.5では、新潟県十日町市のドライブプランをご紹介します。十日町市は、日本の原風景ともいえる棚田や里山が今なお豊かに残る地域。雲海でも有名な星峠の棚田で金色に輝く里の風景に心ふるわせ、ブナの美林では森林浴を。そして郷土の味覚と出会い、森や水辺でアートにふれる。慌ただしい日常を離れ、里の優しい自然に癒される旅に出かけませんか。

金色の稲穂たなびく秋の棚田へ/越後松代棚田群 星峠の棚田

写真提供：(一社)十日町市観光協会

塩沢石打ICから国道253号線を上越方面へ走り出すところから、旅がスタート。のどかな山村風景を眺めながらドライブし、山間にある「峠」集落へ。曲がりくねった細道をのぼりきると、そこが星峠の棚田です。東側にひらけた斜面いっぱいに大小約200枚もの田が連なり、秋には一面、たわわに実った稲穂で黄金色に染め上げられます。
十日町のいたるところに点在する棚田は、冬の豪雪がもたらす雪解け水と山に暮らす人たちの叡智と労力によって育まれ、今に受け継がれてきた風景です。農林水産省が優良な棚田を認定する「つなぐ棚田遺産」において、十日町市からは市町村として全国最多の14地区の棚田が認定。中でも最大級の規模を誇るのが星峠の棚田です。運が良ければ、早朝、雲海に浮かぶ幻想的な棚田に出会うこともできます。

越後松代棚田群 星峠の棚田の詳細

住所 新潟県十日町市峠 【カーナビ 住所】：新潟県十日町市峠1513（棚田にあるお手洗い） 　駐車場 有り（普通車20台　大型車1台） 　URL https://www.tokamachishikankou.jp/spot/hoshitougenotanada/ 　

日本三大ブナ林に数えられる林で森林浴/美人林

写真提供：(一社)十日町市観光協会

黄金色に染まる棚田をあとに、再び里山の風景の中を20分ほどドライブすると、十日町の景勝地「美人林」に到着。ここは、約3ヘクタールの丘陵地に樹齢約100年のブナの木々が立ち並ぶ林です。スラリと伸びる立ち姿から、「美人林」と呼ばれるようになりました。

雪国に根づくブナの木は、十日町では昔から身近な存在。棚田の水源林や燃料として、里の暮らしを支えてきてくれました。この場所も大正末期に薪炭にするために伐採されましたが、翌年、ブナの種が一斉に芽生えて成長。密集しているので上へ上へと光を求めて伸びた結果、真っ直ぐな樹形になったそうです。四季折々にいつ訪れても美しく、手軽に森林浴を楽しめる癒しのスポットです。

美人林の詳細

住所 新潟県十日町市松之山松口1712-2付近 　営業時間 通年訪問可能。冬季は積雪のためアクセスには要注意 　料金 無料 　駐車場 有（30台）冬期間は除雪されないため、「森の学校」キョロロ駐車場を利用 　URL https://www.tokamachishikankou.jp/spot/bijinbayashi/ 　

水色のアート空間で越後妻有の郷土料理を味わう/越後まつだい里山食堂

photo Yanagi Ayumi　※越後まつだい里山食堂の画像

森林浴でリフレッシュしたあとは、20分ほど車を走らせ「越後まつだい里山食堂」へ。ここは「農」と「アート」による地域再生の拠点、まつだい「農舞台」内にある食堂です。
ユニークなのは、水色で統一された空間そのものが、フランスの現代美術家 ジャン＝リュック・ヴィルムートの作品「カフェ・ルフレ」になっていること。そんなアートな空間で味わえるのは、越後妻有（十日町・津南）に伝わる郷土料理です。食堂の目の前の棚田でとれる米や妻有ポーク、近隣の農家から仕入れた野菜など、地元食材がたっぷりと使われています。土日祝は里山ビュッフェ、平日は定食スタイルで楽しめます。また、秋には「里山ビュッフェ炊き立て新米フェア」を開催。棚田の新米を中心に、お米の味を引き立てる約20種類のメニューが並びます。

越後まつだい里山食堂の詳細

住所 十日町市松代3743-1 まつだい「農舞台」内 　営業時間 10:00～17:00（L.O. 16:30）　ランチ11:00～15:00（L.O. 14:00） 　定休日 火曜・水曜（祝日の場合は翌営業日が振替休日） 　料金 入館料不要（食事代のみ）里山ビュッフェは大人2,000円～2,500円（小学生1,000円、幼児500円） 　駐車場 有 　URL https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/satoyamashokudo/ 　

里の自然に息づくアートを鑑賞/星と森の詩美術館

里の料理に満たされたあとは、北越急行ほくほく線と並走する「ほくほく街道」を東へ。川を越え、トンネルを抜ける変化に飛んだ山間のドライブを楽しみながら「星と森の詩美術館」へと向かいます。
ブナ林に囲まれたこの美術館では、世界的版画家である星襄一の木版画をはじめ、彫刻家・ 藤巻秀正の彫刻、人間国宝・天田昭次の日本刀など、郷土ゆかりの作家の作品を鑑賞することができます。駐車場からエントランスへと続く「藤巻秀正彫刻プロムナード」も見どころのひとつ。ブナの小路や池の端を歩きながら、妖精やリス、ウサギなど愛らしい“森の仲間たち”に出会えます。ふるさとの自然と一体になった空間でアートを鑑賞し、心潤うひとときを過ごしましょう。

星と森の詩美術館の詳細

住所 新潟県十日町市稲葉1099-1 　営業時間 9:30～17:00（入館は16:30まで） 　料金 一般500円、小・中学生200円 　駐車場 有（20台） 　URL http://www.hoshi-uta-m.jp/ 　

山間に湯けむりをあげる日本三大薬湯へ　/　松之山温泉

有馬温泉、草津温泉と並び、日本三大薬湯に数えられる松之山温泉。古くから怪我や皮膚病によく効くことが知られています。伝説によれば、羽の傷を癒すために休んでいた鷹を木こりが見つけ、そこに湧く温泉を発見したのが始まりだとか。冬は雪深い山間に、10軒ほどの宿や店が立ち並ぶだけの静かな温泉街で、心身ともに癒されませんか。

URL https://www.tokamachishikankou.jp/spot/motsunoyamaonsengou/ 　

＜まとめ＞

十日町市は、里山を舞台に現代アートを展開する「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地でもあります。作品は年間を通して展示され、棚田や空き家、廃校など広範囲に点在。ドライブしながら思いがけない場所でアートと出会うのも、十日町ドライブならではの楽しみです。