VOL.35 「親友都市」の輪が、災害に強いまちをつくる!

 再三、今後は地域間競争が激化すると、コラムで書かせていただきましたが、ラスト2回の今号では感謝の意を込めまして、基礎自治体による被災地支援のお話をさせていただければと思います。
 また、近年日本では多くの風水害、地震・津波、雪害、火山等の災害が発生していることから、いつ何時発生するか分からない未曾有の災害への備えとして、書き示します。

 災害対策法は、「地方公共団体相互の協力」として、第5条の2で「地方公共団体は、第5条第1項(市町村の責務)に規定する責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならない。」と定めています。
 この規定をもとに阪神・淡路大震災以降、災害時相互援助協定を結ぶ基礎自治体が増えました。

 災害時相互援助協定は、災害時に物資や人的な支援、更には避難住民の受け入れなどで協力し合う、自治体間における助け合いの輪であります。協定を交わした自治体は互いに、もしものときの支えとなり、いわば親戚のような関係となるのです。

 しかしながら、災害という緊急対応の中で、災害時相互援助協定により、基礎自治体が他の基礎自治体のために直ちに行動を起こすことには、それなりの覚悟と決断が必要です。
 率直に言えば、財政負担の問題であり、議会等の意向を聴く時間もなく、首長が独自の判断を迫られるため、躊躇してしまうことも考えられます。

 甲府市では、施行時特例市及び首都圏県都の連携により、水戸市と災害時の応援協定を締結。また、前号でも紹介しましたが、戦国の世の戦いを縁とし、集客プロモーションパートナー都市である上越市と災害時相互応援に関する協定を締結しております。

 そして、平成26年2月15日(土曜日)、記録的な豪雪災害が発生しました。最深積雪は114cm。過去120年で最も積雪の多かった1998年の49cmを2倍以上上回りました。

 経験したことのない積雪に、市内の除雪作業はなかなか進まなかったことから、特別豪雪地帯の指定を受ける上越市から、2月17日にダイヤドーザと呼ばれる大型除雪車1台と、市職員2人、民間除雪事業者3人、同19日にもう1台が派遣されました。大型除雪車の車体の側面には「甲斐の皆様 もうすぐ春です 頑張ってください」(写真※)との言葉が表示してあり、甲府市民から上越市にお礼のメールや電話が多数寄せられました。

 戦国時代の上杉謙信公が武田信玄公に塩を送ったという武士の情けに因んだ故事がありますが、21世紀版の塩(塩化カルシウム)を送っていただいたのです。
 ちなみに新潟県からは当時の知事の大英断により、10台5チームが県内に派遣され、対応していただきました(泣)

 また、水戸市は、東日本大震災時において甲府市から非常食や毛布等の支援を受けた恩から、2月20日~22日に市職員を32名も派遣をしてくれました。
 幹線道路等は上越市の派遣もあり、除雪車により除雪が進んでいましたが、除雪車が入ることのできない歩道等は、容易に歩くことができない状況だったため、水戸市職員が6班を編成し、2つの小学校区内の通学路の除雪活動を実施してくれました。

 除雪活動中は、凍結した雪の除去や除雪した雪の搬送等に大変苦慮した上、寝泊り場所(写真※)は甲府市庁舎会議室に雑魚寝という劣悪な環境でしたが、予定した範囲の除雪全てを行っていただきました。その働きに、甲府市民からたくさんの感謝の言葉が寄せられ、学校関係者や地域住民もお手伝いに加わりました。

 「何とかしなければ」と迅速に駆け付けてくれた2市にいえることは、常日頃の強固な付き合いからの仲間意識の強さに尽きると感じます。
 甲府市が両市に求めることができたのも、本音で依頼できる関係性があったからこそ。建前なしに、何をして欲しいか率直に伝えることができたのだと思います。

 人間関係でも、深い友人関係を「親友」と呼んでいると思います。
 親友に対しては、力になりたいという気持ちが自然に湧くもの。親友が困っていれば、その苦しみに共感し、損得関係なしに、何とか力になってあげたいと思うものです。

 上越市と水戸市は、甲府市にとってかけがえのない「親友都市」であるといえます。
 筆者の仕事は公共交通対策ですが、県庁所在地であり、似たような公共交通体系をしている水戸市の交通政策課には再三ご教示いただいています。また、つい先日も、業務の一環である自転車対策のことで水戸市に連絡を入れましたら、担当が防災・危機管理課・・・・・
 そうです。市職員32名を派遣してくれた窓口の担当課。受話器越しに感謝の気持ちを新たにしつつ、聞こえてくる説明は、親切丁寧で親友都市そのものでした。

 45歳の筆者は、残す市職員としての在職期間、全力で親友都市と共に歩み、親友都市からいただいた素敵な恩に対し、倍以上の恩返しができるよう日々精進してまいります。

 上越市へのドライブには、8月24・25・26日に開催される「第93回 謙信公祭」もしくは日本海の海水浴。
 水戸市は、金沢の兼六園、岡山の後楽園とともに、日本三名園の一つとして数えられている偕楽園の地でありますから、NHK人気番組のブラタモリ水戸編で、タモリさん推奨の水戸の歴史・地形を踏まえた観光ルート「水戸城本丸跡⇒弘道館⇒堀の痕跡と河岸段丘⇒偕楽園」(徒歩40分程度)がオススメです。


※写真提供:水戸市・甲府市ホームページより

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

平成30年8月31日 リレー・フォー・ライフ・ジャパン(甲府市)
平成30年9月23日 こうふ開府500年記念 100日前ディズニーパレード(甲府市)
平成30年9月29、30日 第2回山梨ベーコンフェスティバル(甲府市)
平成30年10月7日 Mt. FUZIMAKI(山中湖交流プラザきらら)
平成30年10月26日~11月4日 甲府ん!路地横丁はしご酒ウィーク
平成30年10月27日 甲府大好き祭り(甲府市)
平成30年12月15日 甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊10周年記念パーティー(甲府市)

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土橋 克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

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