VOL.12 花鳥風月の粋を伝える。金沢の伝統技術「加賀友禅」の魅力

VOL.12 花鳥風月の粋を伝える。金沢の伝統技術「加賀友禅」の魅力

※ 掲載記事に関して
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こんにちは!着物でおでかけコラムライターのSAYAKAです。
みなさんは「加賀友禅」という着物をご存じでしょうか?
石川県金沢市が発祥の染物で、着物にはもちろん、その技法はハンカチや手拭いなど身の回りのさまざまなものに使われています。

今回は、金沢市の「加賀友禅会館」で、加賀友禅の魅力を深掘りしてきました。

VOL.12 花鳥風月の粋を伝える。金沢の伝統技術「加賀友禅」の魅力

金沢駅から車で10分ほどのところにある「加賀友禅会館」。
こちらでは、道具や着物の展示、友禅染めの体験などを通じて、加賀友禅の歴史や技法、魅力について学ぶことができます。

加賀友禅とは、今からおよそ500年前から伝わる伝統技法で、京都の「京友禅」や東京の「江戸友禅」と合わせて「日本三大友禅」の1つとしても有名です。

花鳥風月をモチーフに描かれていることが特徴で、古典的な自然の絵柄は、見ているだけで心が安らぐような落ち着いた印象を受けます。
また、美しい色合いも魅力。藍・燕脂・黄土・草・古代紫の5色、通称「加賀五彩」を巧みに使い分け、作家自身の好みや個性を反映させながら1つの作品に仕立てています。
外側に向かってだんだんと色を濃くすることで立体的に見せる「外ぼかし」や、葉の色を変えて表現する「虫喰い」などの染色技術も、加賀友禅に見られる独特なものです。

VOL.12 花鳥風月の粋を伝える。金沢の伝統技術「加賀友禅」の魅力

施設の地下1Fでは、加賀友禅の手描き技法を体験することができます。
およそ10種類の中から好きな絵柄を選んだら、
小筆・中筆・大筆の3つの太さの筆を使い分けながら染色していきます。
綺麗に仕上げるポイントは2つ!
「筆に水を含ませすぎないこと」と「筆を使い分けること」です。
筆に水が含まれていると、染料が薄まってしまい、美しい色合いが出なかったり線を越えて滲んだりしてしまいます。
また、綺麗に塗るために細い筆は濃い色、太い筆は薄い色、というように筆の太さも使い分けながら塗っていくのも重要。
筆を洗ったら水気をタオルでよく拭きましょう。

施設の方が丁寧に教えてくれるので、初めての人でも安心して取り組めますよ。

早速、私も挑戦!
加賀友禅の特徴でもある「外ぼかし」や「虫喰い」も試してみました。
布に染料が滲んでいく様子が美しくて、思わず時間を忘れて夢で作業してしまいます。
こんなに素敵なハンカチが完成しました!

感想・まとめ

感想・まとめ

今回の取材では、「加賀友禅会館」で加賀友禅についてたくさん学ぶことができました。
さらに自分でも体験してみたことで、染色の難しさや色合いの美しさもあらためて実感。細かな模様や繊細な色の1つ1つに作家さんのこだわりが込められているのだなと感じました。

こうして、着物の織物や染物の産地を訪れると、新しい発見に出会えてとても楽しいですね!
みなさんもぜひ足を運んでみてください。

これからももっと着物に親しみが持てる・着物を着て出かけたくなるような発信を続けていけたらと思います。
次回の「着物でおでかけ」もお楽しみに!

<今回のおでかけスポット>
石川県金沢市・加賀友禅会館

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