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7月は、スケート界にとっては年度替わりということで、「明けましておめでとうございます」とご挨拶させていただきます。また新しいシーズンが開幕しました。本シーズンもよろしくお願いします。
この時期は、6月の世界スケート連盟の総会で可決されたルールにのっとり、試行錯誤しながら、プログラムの定着に取り組んでいる時期です。また、羽生選手が決意表明をし、次のチャプターへの移行を発表しました。シーズンオフにも話題がひっきりなしなのがこの世界です。
さて、今回紹介するスケートリンクは、長野県の野辺山にある「帝産アイススケートトレーニングセンター」です。
実は、このリンクはオリンピックを目指すスケーターであれば、一度は氷に乗ったことのある超有名なリンクなのです。
フィギュアスケートの全日本ノービス選手権へのシード権獲得、そして海外試合への派遣など、フィギュアスケートの登竜門と言われる全国有望新人発掘合宿が行われている本格的な公認人工リンクとして、このスケートリンクが有名になったのはないでしょうか。
この全国有望新人発掘合宿の一期生には、荒川静香さんが参加をされていたこともとても有名な話です。またその後は、高橋大輔選手、安藤美姫さん、浅田真央さん、羽生結弦さんなど、過去の冬季オリンピックや世界選手権において、活躍したオリンピアン、メダリストたちも、このスケートリンクで開催される合宿に参加されていました。
現在は、この通称「野辺山の合宿」に行くにも地域での選抜があり、多くのスケーター達がこの合宿に参加することを夢見ています。
合宿の内容としては、陸上でのダンス、パントマイムやリトミック、基礎体力測定に始まり、氷上ではスケーティング練習やプログラムチェックまで、普段行わない分野でのチェックも行われます。そんな連盟からのチェックとは別に、ライバルがどんなジャンプを跳べるようになったのか横目でチェックもしているのもこの合宿です。過去にはジュニアやシニアの合宿も行われており、なかなか殺伐とした雰囲気の時もあったのを覚えています。
ショートトラックでは、現在でもJOC認定競技別強化センターに指定されており、高速リンクといわれ、高い氷の質を維持し続けています。
そんな世界に羽ばたいていったスケーターたちの汗や涙が染み込んだスケートリンク。オリンピックを目指す選手だけでなく、帝産ロッヂの利用者が優先して利用できるのだとか。ここからまた素晴らしい選手が出てくるのが楽しみですね。

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小塚 崇彦 / フィギュアスケーター
現在は、フィギュアスケートを始めとしたスポーツの普及活動を中心に、活動の幅を拡げて新たなステージに挑戦。また野球、サッカー、ゴルフ、モータースポーツなどのスポーツ経験を活かし、スケートの用具開発やJOCオリンピックムーブメントアンバサダーなど様々な方面で活躍。東京の二子玉川を拠点に、北海道、東北、関東、四国をはじめ全国各地でも小塚アカデミー (スケート教室) を開催。
東京2020、札幌2030招致を含めたウィンタースポーツからの盛り上げにも挑む。