VOL.11 石川・九谷焼の産地を訪ねて

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皆さん、こんにちは。第11回目となる今回は、「九谷焼」の産地をご紹介します。石川県南部の加賀市・金沢市・小松市・能美市で生産される九谷焼の歴史は古く、360年以上の伝統を今に伝えています。1655年の開窯から、わずか100年で一度は途切れた焼き物づくりが息を吹き返したのは江戸時代後期のこと。開窯にも復窯にも、加賀百万石と称される加賀藩の尽力があったことは言うまでもありません。

九谷焼の最大の魅力は「上絵付け」でしょう。上絵付けとは、本焼きした陶磁器の釉薬の上に、顔料で絵柄を描いて再度焼く技法のことで、九谷焼や有田焼などに広くその技法が使われています。特に九谷焼では、五彩という「緑・黄・紫・紺青・赤」を使った鮮やかで優美な色彩が特徴で、その繊細さはまさに圧巻です。赤以外の4色は焼成するとガラス質の透明感のある色彩となり、触ると盛り上がった感じになっています。日用品から美術品まで幅広く、時代ごとに、また窯や作家ごとに独自の画風があるため、掘り出し物を探すような楽しさがあります。シンプルモダンがもてはやされた時期には人気が低迷したものの、最近はまた注目されるようになりました。伝統的なカタチと鮮やかな色彩が若い世代にとっては新鮮なようですね。

そんな九谷焼の伝統を受け継ぐ2つの工房で、ミュージアムショップの立ち上げのお手伝いさせていただきました。2014年にリアルスタイル金沢店がオープンして以来、地域の伝統工芸の発信拠点として、産地のリノベーション工事にも積極的に関わらせていただいています。そうした中で、2020年には宮創製陶所さん、2021年には宮吉製陶さんのミュージアムショップをお手伝いさせていただきました。これまで個人の工房が開放されることは少なかったので、最近ではこれらミュージアムショップを巡る楽しい産地ツアーが組まれるなど、産地観光の一躍を担っているようです。

ほかにも、観光スポットで知られる九谷陶芸村に記念館がある陶芸家で文化勲章を受賞した浅蔵五十吉氏は、実はリアルスタイルのスタッフのお祖父様というご縁。九谷焼は、深い繋がりをもつ産地の一つです。近隣には小松温泉や山中漆器の産地などもあり、産業観光としては楽しいエリアです。金沢の古い街並みと合わせて、ぜひお立ち寄りください。

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鶴田 浩 / リアルスタイル代表

リアル・スタイル(株)代表取締役。NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト理事。名古屋工業大学非常勤講師。建築・空間プロデューサーとして従事する中、1年半に渡り欧米やアフリカを旅して日本の素晴らしさに気づく。2002年にライフスタイルショップ「REAL Style」をオープン、2006年にNPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクトを立ち上げ、以来、日本の生活文化向上と全国のモノづくりネットワーク構築に尽力している。

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