VOL.3 広島〜岡山・木工家具の産地を訪ねて

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皆さん、こんにちは。第3回目となる今回は、リアルスタイルの家具づくりの原点でもある岡山から広島にかけて、木工家具の産地をご紹介します。

約300年の歴史を誇る日本有数の家具産地、広島県府中市は桐ダンスの一流産地として、婚礼家具から一つの時代を築きました。この辺りはまた木材の乾燥に適した気候であることから、歪みや狂いのない良質な木製品を作ることができたと言います。
欧米のような椅子座でなく、床座の文化を持つ日本で家具といえばタンスやちゃぶ台でした。中でも釘を使わずに木を組む木工は指物と呼ばれ、指物の代表的な家具が和ダンスです。高品質なタンスの引き出しを閉めると、他の引き出しが出っ張るという現象を目にしたことがあるかと思いますが、これは気密性が高い証拠で、引き出しが隙間なく収まるように緻密に仕上げられた熟練の職人技によるもの。日本の繊細で正確な技術を結集した指物は日本古来の木工で、この卓越した指物技術を駆使して作られた精巧な桐ダンスは、世界有数の収納家具でもあります。

リアルスタイルの家具づくりは、この有名な府中ではなく、その隣町の福山と笠岡でスタートしました。情緒ある街として知られる広島県尾道市と岡山県倉敷市の、ちょうど間に位置するエリアです。この辺りは、府中といういわゆる桐ダンスの一流産地とは一線が引かれたことから、苦労した産地でもあります。その中で、僕の学生時代の友人の実家でもあるAKASE、そして塚本木工所、心石工芸と、この3つのメーカーさんと共に家具づくりが始まりました。この3社は一流ではない産地だったことで、桐ダンスの製造から早くに脱却し、現代のライフスタイルに合う家具を試行錯誤しながら、30年ほど前から業態変化に挑んでいたメーカーです。そして今や日本を代表し、世界にも発信するようなファニチャーメーカーとして、ソファやベッド、チェアの製造で大成しています。そうして国内外の高度な要求に応えながら、笠岡・福山は新進の家具産地となっていきました。

リアルスタイルで昨年の秋に発表した新作パーソナルチェア「ヴィスキオラウンジチェア」は、この産地で製作しています。今年の5月には2Pソファも発売が開始しました。しっかりとした木製のフレームに、羽毛クッションが贅沢に設置されたチェアです。深めの座面と背の角度によって、見た目以上にリラックスした座り心地を実現する一方で、サイズ感もちょうど良く都会暮らしでも快適な空間づくりをしていただけます。手すりには読みかけの本やグラスを置いて、くつろぎの休息時間にぴったりのラウンジチェアとなりました。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が延長され、まだまだ先の見えない状況が続きますが、こんな時だからこそ家で過ごす時間を豊かなものにしていくお手伝いをしていけたらと思っています。

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鶴田 浩 / リアルスタイル代表

リアル・スタイル(株)代表取締役。NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト理事。名古屋工業大学非常勤講師。建築・空間プロデューサーとして従事する中、1年半に渡り欧米やアフリカを旅して日本の素晴らしさに気づく。2002年にライフスタイルショップ「REAL Style」をオープン、2006年にNPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクトを立ち上げ、以来、日本の生活文化向上と全国のモノづくりネットワーク構築に尽力している。

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