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突然ですが、青森県の特産品といえば?
「りんご」しか浮かばなかったアナタにこそ、このコラムを捧げます♡
真ん中に奥羽山脈がそびえる青森県。山を挟んで西側が津軽地方、東側が南部地方。実はこの2つ、歴史も気候も文化も市民性も大きく違います。
たとえば津軽衆(津軽のヒト)は陽気で負けず嫌い、南部衆(南部のヒト)はおとなしく奥ゆかしい。勢いよく豪快に話す津軽弁に対し、南部弁は柔らかでおっとりした印象。※あくまでもライターの感想です。
津軽には青森の代名詞であるりんごに日本酒など素晴らしい特産品がある。が、南部衆の筆者としては、今回は独断と偏見で「南部せんべい」を推したい。いや推します。
青森県南~岩手県北では、「せんべい」といえば南部せんべいのこと。
スーパーにはだいたい専用コーナーがあり、店舗によってはひと棚丸々南部せんべい!なんてことも。ベースの材料は小麦粉と塩、水、とシンプルそのものですが、厚さや焼き加減などが各社微妙に違い、ショリショリ、バリバリ、もっちりなど多様な食感が生まれます。
さて、ここからはその豊富な種類について。一般的なせんべいが主原料・米粉、しょうゆ味なのに対し、南部せんべいは前述の通り主原料・小麦粉、塩味。
…つまり、パスタとほぼ同じ!
ご当地グルメとして有名になった「八戸せんべい汁」だって、南部せんべいの一種「おつゆせんべい」を使っています。これは煮込んでも崩れない専用のせんべいなのでご注意を。
パスタの親戚である南部せんべい。
だから基本の材料だけで作る「白せんべい」には主食級のポテンシャルがあるんです。バターを塗ってトースト風に、チーズと具を載せれば手のひらサイズのピザに。八戸市中心街の横丁などでは、おつまみにせんべいピザを提供するお店もあります。
2枚のせんべいの間に赤飯やおこわを挟む、という炭水化物好きにはたまらないマリアージュは先人の知恵。「こびりっこ」という昔の農家の定番おやつですが、お買い上げは南部地方各地の道の駅でどうぞ。
〝挟む系〟の仲間としては、水あめを挟んだ「あめせんべい」も忘れちゃいけません。砂糖を使わず麦芽を発酵させて作る水あめは、やさしい甘さとヘルシーさが魅力です。
お茶請けの定番は、白せんべいに黒ゴマを散らした「ごませんべい」。…からの進化系「ぬりごませんべい」は、ごまを一面に塗りたくったビジュアルがインパクト大です。
落花生入りの「豆せんべい」、さらに生地をクッキー生地に替えた「クッキーせんべい」のナッツ系は、子どもに人気のほんのり甘いおやつ。
さらに、焼き上げる際、型からはみ出た部分も無駄にしないのが南部衆の心意気。三日月形の「せんべいのみみ」は持ちやすさも魅力で、地元民にとっては食べ出したら止まらない、あたりめ感覚で食べてます。
もっちり食感を楽しむなら「てんぽせんべい」がおすすめ。八戸市内の南部せんべいメーカー直営店などで、焼きたてアツアツが購入できます。
と、ここまでご紹介してきたのは南部せんべいのほんの入門編。
話題は尽きねど、この続きはまたいつか。
青森で南部せんべいを買うなら、一番のおすすめはふつうのスーパーに行くこと。地元の人におすすめのメーカーを聞いてから買うのも楽しいかも。
この記事を読んでくださった皆さまはぜひ「青森の名物といえば南部せんべいだよね!」と言い切ってくださいませ。青森ツウぶれること間違いなしです(笑)。
青森だけど、みんながイメージする〝青森〟とはちょっと違う南部地方に。
いつかまた気軽に旅ができる時が来たら、来てけさい!(来てください)
待ってらすけな~!(待ってるからね)
■南部せんべい今すぐ食べてみたい!という方はこちら↓
https://visithachinohe.com/stories/processedproducts/

Posted by
ばば みほこ
青森県八戸市出身・在住のフリーライター、インタビュアー、キャリアコンサルタント。
青森県&岩手県北でビジネス・移住・グルメ・歴史・アートetc…を取材・執筆する地元密着脳内トラベラー。
特技は南部弁(青森県南~岩手県北の方言)。初対面の県民が津軽出身か南部出身か当てること。