
※ 掲載記事に関して
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、紹介する施設によっては営業時間の変更や休業、イベントの延期・中止が生じる場合があります。また、情報は記事掲載時点のものです。お出かけの際は、事前にHPなどで詳細をご確認ください。
初めて目にした時の衝撃と言ったら!「マグロ?レバー?…こんにゃくですと!?」。それは、滋賀県中部の街・近江八幡の日常的な食材である「赤こんにゃく」。赤い色の正体は「三二酸化鉄 (さんにさんかてつ)」という、厚労省から認められている無害の食品添加物です。味は一般的なこんにゃくと変わりません。でも、黒いつぶつぶ (ひじきなどの海藻) が入っていないため、食感はとてもなめらか。低カロリーで鉄分を含んでいることも魅力です。
赤こんにゃくの由来には諸説ありますが、その一つに織田信長公にちなんだものが。安土城下でおこなわれていた「左義長 (さぎちょう) まつり」に、赤い長襦袢姿で踊り明かした信長公へ、智将・竹中半兵衛が「それほど派手なものがお好きなら、周りもみんな赤く染めればよろしい」と進言。そこで信長公が、安土城からこんにゃくにまで赤い色を取り入れるよう命じた…という言い伝えです。後世の私たちが持つ信長公のイメージにぴったりの逸話ですよね。面白がって「こんにゃくも染めさせよ! 」と無茶ぶりする信長公を想像してしまいます。ただし、今のところ戦国時代の文献に赤こんにゃくの記述は見つからず…。江戸時代末期頃の資料から、三二酸化鉄が使われる以前は「トウモロコシの実の皮」を煎じて赤く着色していたことが分かっているそうです。
近江八幡市内には、赤こんにゃくを使ったオリジナルメニューを提供する飲食店が数多くありますが、県内各地のスーパーや道の駅で購入して自宅で調理することも。板状、糸状、玉状など様々な赤こんにゃくが販売されており、すき焼き、おでん、煮物など何にでも使えます。このきれいな色合いを生かし、例えばダイス状にしてサラダにトッピングしたり、スパゲティーの量を減らして糸こんにゃくでボリュームを補ったりと工夫すれば、ダイエットの強い味方にもなりそう。料理好きの人にとっては、創作意欲を刺激される食材になるかも!ちなみに、アク抜き以外に特別な下ごしらえは必要ありません。オンラインショップや滋賀県の物産展でも購入可能なので、機会があればぜひ召し上がってみてください。
取材協力/ 乃利松食品 吉井商店
住所:滋賀県近江八幡市為心町上21
電話:0748-32-2475

Posted by
たかはし じゅんこ
東北生まれの東北育ち。縁あって2005年に関西へ移住。東北と関西を行き来しながら、フリーライター・編集者として活動中。関西に来てから知った驚きの事実「琵琶湖の面積は、滋賀県土の約1/6」と「延暦寺の住所は滋賀県大津市」をコツコツと広めたい。