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奥州三大名湯に数えられる福島県飯坂温泉とその周辺では、温泉卵を「ラジウム玉子」と呼びます。地元の人は、子どもの頃から慣れ親しんでいるので全国共通の呼称かと思いきや、さにあらずなんですよね。個性的な名前は、日本で初めてラジウムの存在が発見された温泉地だったことに由来します。栄養満点、消化のよいラジウム玉子は、大正、昭和、平成、令和と時代が変わっても温泉旅館の朝食に、日々の食卓に、日持ちがよいのでお土産にも喜ばれています。
現在、製造販売しているお店が10軒ほどあり、ほとんどが同じ加工専用の共同源泉を使っています。ねっとりやや固めの黄身、柔らかな白身が特徴のラジウム玉子ですが、卵の仕入れ先はもちろん、源泉に浸ける時間も微妙に異なることから、黄身のねっとり加減や白身の柔らかさにも各店の個性が宿ります。発売以来、変わらないレトロ感満点の赤、青、黄色の巻き紙や包装紙もお店ごとに違うのでお気に入りを見つける楽しみもあります。
ラジウム玉子は、ダシ汁や醤油をかけてあつあつのご飯とともにいただくのが最もポピュラーな食べ方です。そばやうどん、ラーメン、サラダにトッピングしてもOK! 福島市内には、パスタや親子丼、パンなど、ラジウム玉子を使ったメニューが楽しめるお店もありますよ。なかでも意表を突くコラボで人気を博しているのが、JR福島駅西口複合施設コラッセふくしま1階にある福島県観光物産館で食べられる「ラジグラソフト」(470円税込) です。こちらは、ラジウム玉子の製造販売店「阿部留商店」と「飯坂グラノーラ工房」の若い店主たちが、福島県観光物産館で扱っている会津中央乳業のソフトクリームとのコラボを提案して実現させた逸品です。ソフトクリームが入ったカップにグラノーラとラジウム玉子を加えてメイプルシロップかけていただくのですが、かき混ぜるほど渾然一体となり濃厚かつ豊かな食感を楽しむことができます。斬新なコラボから生まれたスイーツ、ぜひ召し上がってみてください。
取材協力/
JR福島駅西口複合施設コラッセふくしま1階福島県観光物産館
TEL:024-525-4031

Posted by
掃部 郁子
女性向け生活情報紙編集部を経てフリーランスに。書くことのほかにバラと月と星が好き。新月から満月までイケイケ、満月から新月までをスロースローで暮らす。