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イノシシの肉というと、堅くて臭い……というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、きちんと処理をしてあれば、柔らかくてクセがなく美味。さらには美容成分であるコラーゲンやコエンザイムQ10もたっぷりという「キング オブ お肉」でもあるのです。
日本を代表する美食家の北大路魯山人も「70年の食道楽人生で、はじめて食べ物のおいしさを自覚したのがイノシシ」と絶賛するほど。肉食が禁止されていた江戸の落語にも「薬といつわってでも隠れてイノシシを食べたい人々」が登場するシーンはよく描かれています。
愛媛県の大三島 (おおみしま) は、そんな極上のイノシシが満喫できるジビエの島。なかでも、イノシシの骨で出汁をとりお肉をチャーシューにした「猪骨 (ししこつ) ラーメン」は、じんわりと胃袋にしみわたる滋味深さがたまらないのです。
この島のイノシシは、ミカンなどの柑橘類やドングリをたっぷり食べて育っているため、脂もさらりとしてほんのり甘みがあります。さらに温暖な気候から、冬でもたっぷりエサがあるため、肉も柔らか。そして肉をさばく「しまなみイノシシ活用隊」のみなさんの技術も高く、日本各地のイノシシを食べ比べした「日本猪祭り」ではグランプリに輝いたこともあるのです。
厳選した海産物や野菜をくわえて6時間以上焚いたイノシシのスープは、何種類もの旨味が複雑に絡み合った奥深い味。主に島内で生産している「伯方の塩」を使った塩ラーメンでは、そこにさらに「味変」として島の無農薬レモンを搾り投入。するとあら不思議、華やかな香りと酸味でさわやかなスープへと一変。低温調理したチャーシューはローストビーフのような柔らかさで、スープや麺との相性も抜群です。そのほかに、醤油や味噌ラーメンもあり、何人かで食べるときは別々の味をシェアするのもおすすめです。
■取材協力/ 猪骨ラーメン
※画像は「猪骨塩ラーメン」800円 (税込、2019年10月現在)

Posted by
吉野かぁこ
生まれ育った埼玉から2015年に愛媛へIターン。狩猟免許をとって新米ハンターな日々。カラスの愛好家でもあり、最近では大阪や京都、佐賀、東京などに出没してカラスの謎を追っています。ついでに美味しいものもたっぷり堪能!