VOL.33 「このまちを良くするのは自分」―。住民の当事者意識がシビックプライドを醸成

 「シビックプライド」という言葉が注目されています。
 「都市に対する市民の誇り」という概念で使われていることが多く、日本の「郷土愛」「まち自慢」といった単に地域に対する愛着を示す言葉とはニュアンスが異なります。「この都市をより良い場所にするために自分自身が関わっている」「自分がこの都市の未来をつくっている」という当事者意識に基づく自負心を指しているのです。

 こうしたシビックプライドを持つ住民には、まちづくりや地域づくりへの積極的な参画が期待されています。

 「シビックプライドを持つ住民は、まちづくり・地域づくりの大きな資源になる」という考え方のもと、シビックプライド醸成のための取り組みを進める自治体も多く、全国的に関心の高さがうかがえます。

 しかし、どうしたらシビックプライドを醸成できるのか。実践するためには、何から着手したらよいのでしょうか。

 シビックプライドに関する書籍を読みますと、プロセスの始まりは「誇りの種を探す」ことが掲げられています。
 実はこれが容易なことではないのは、今まで本コラムで数々述べてきました。
 「新しい視点で」と言われましても、その土地に住まう人達にとっては当たり前すぎる日常の中で、何を手がかりとしたらその「種」を探すことができるのか分からないのです。

 ここで重要なのが、その土地ならではの個性を意味する地域のアイデンティティを如何に発見するかです。
 そこで登場するのが、「特産品(食)」、「観光資源(ランドマーク)」、「エンターテーメント(芸能)」の3つの要素です。

 最も重要な要素は「特産品(食)」です。筆者の「甲府鳥もつ煮」(写真)のように、長年、住民が当たり前のように食べてきたものであれば、世代を超えて理屈抜きで分かり合えるキラーコンテンツとなります。

次に「観光資源(ランドマーク)」は、甲府には渓谷美日本一の称号がある「昇仙峡」がありますが、関東の3大観光地ですと、鎌倉=大仏、川越=時の鐘(写真)、日光=東照宮のように地名と併せて紹介されるものです。造形物等がなくとも心象風景等でも構いません。

 最後の「エンターテーメント(芸能)」は、娯楽施設や楽しいだけのイベントに限りません。祭などの行事や無形物を表し、そこに行かねば経験できないものです。

 これらの要素の確率こそが、シビックプライドの醸成を後押しし、都市のイメージ向上を下支えするという相関関係を生み出します。

 人口減少社会により、自治体間競争が激化する現代社会では、シビックプライドは、とても重要な概念となってきています。

 ですが皆さん、この日本は、古くから市民主体の活動がまちに根付き、地域固有の風土や情緒、たたずまいを紡いできました。ですから、「ここが足りない」「うちには何もない」と不満を言うより、理想、想いをカタチにするために一歩を踏み出すことが大切です。昔は綺麗だった、新しかったと嘆くよりも、自らが生まれ育ったまちを知り、誇り、自慢できるように、様々な想いの住民がそれぞれ当事者意識を持って関わること。これにより生まれる多様性があってこそなのです。

 それぞれのまちをつくり、育てた先人たちが担った伝統・文化が、現代の新たな背景として積み上げられていくことで、はじめて「誇り」や「愛着」といったものが育っていくのではないでしょうか。
 「市民一人ひとりの存在こそがシビックプライドを醸成する」と感じられるまちづくりを進めていくことが、魅力溢れる地域をつくるのだと思います。

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

平成30年6月20日 甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊創設10周年キックオフパーティー
平成30年7月8日  第7弾やまぼこ探検隊in北杜市
平成30年7月14、15日 美味い都市「津ぎょうざ小学校」合同まちおこし合宿(津市)
平成30年7月18日 山梨県立大学「山梨の観光」講師
平成30年7月21日 第4回スクラム甲府スポーツアカデミーin南アルプス市
平成30年8月11日 小江戸こうふの夏祭り(甲府市)
平成30年9月17日 敬老の日「家族団らん(RUN)」(甲府市)
平成30年9月23日 こうふ開府500年記念 100日前ディズニーパレード(甲府市)
平成30年9月23、24日 日中国交正常化45周年記念×B-1グランプリ2018(中国)
平成30年9月29、30日 第2回山梨ベーコンフェスティバル(甲府市)
平成30年10月13、14日 津祭り(津市)

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土橋 克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

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