VOL.31 老後も安心して暮らせるまちへ~人を呼び戻すアーケード「高松中央商店街」

 皆さんの地元に「商店街」はありますか?
 人口減少の時代にあって、地方の商店街は疲弊しています。
 日本の商店街が繁栄したのは、筆者が生まれた1970年代にかけて。その後、1990年代から衰退傾向になり、シャッター商店街が全国に増えていきました。

 では何故シャッター商店街が増えてしまったのでしょうか。
 時代の趨勢といってしまえばそれまでですが、主な要因としては、スーパーやコンビ二の台頭、商店街の店主の高齢化、そして特に顕著なのが、郊外の大型店舗で買物をする人が増えたことだと思います。
 皆さんのまちには、大型ショッピングモールはありますか?
 それが答なのです。

 シャッター街を見事に再生した最近の成功事例として、平成29年2月号で全国の自治体から熱い注目を集めている宮崎県日南市の「油津商店街」を紹介させていただきました。

 今号では、中心市街地の商店街を再開発することで賑わいを取り戻し、全国から視察が相次ぐなど、地方都市を牽引する存在である香川県の県庁所在地「高松市」を紹介したいと思います。
 筆者にとっては、中央大学硬式野球部時代の無二の親友が住むまちであります。

 日本一と呼ばれるアーケード「高松中央商店街」は、東西3本、南北5本という8つの商店街で構成され、都会的な北部エリアと、下町らしさが残る南部エリアが好対照な商店街。市民の生活拠点であり、憩いの場でありながら、旅行ガイドブックにも載る観光名所でもあります。
 途中3本の幹線道路を挟み続くアーケードの総延長は2.7kmと日本最長。さらに、最北端にある商店街のシンボル高さ32mのクリスタルドームは、アーケード構造として日本一の高さを誇り、開放感でモダンな雰囲気です。

 そのほか、高松三越近くのアーケードは、2つのアーケードが交差する部分がドームになっていて、広場では季節ごとの装飾やイベントなども開催。街頭やベンチもアートなデザインが施されているので、インスタ映え間違いありません。

 この異彩を放つ商店街ですが、筆者が特に感銘を受けているのが、平成2年のバブル経済で日本全国が浮かれていた時代、先日(4月10日)に開通30周年を迎えた瀬戸大橋の開通により、中央の大手資本の流入や消費のストロー現象に不安を覚えた商店街の方々がまちづくりに励んだことです。

 まちづくりのコンセプトは、消費的なことで人を呼ぶのではなく、郊外に転居した人を呼び戻し、幸せな老後を過ごせるまちを目指す「人を呼び戻す商店街」。

 筆者も同様の考えを持っているのですが、人は歳を重ねれば重ねただけ、郊外での生活は厳しくなります。
 よく老後は田舎でのんびり移住暮らしといいますが、公共交通が少ないために買物等、すべて車を使わなくてはなりません。しかし、頼りの車も、いつまでも運転できるというわけではないでしょう。
そのことに着目した商店街の方々は、まちづくりの根幹を見直し、衣食住ではなく「医食住」という発想に転換しました。

 車がなくても便利に暮らせる安心安全なまちをつくろうと、商店街のビルの中に往診回診クリニックをつくったのですが、実はこのビルの上は高齢者マンションで、全てがお客さんです。
 このように「医」の仕組みを取り入れた商店街は、次は「食」の変革として商店街に市場をつくりました。地元生産農家の生活を守る地産地消の仕組みを作り上げたのです。「住」については、様々な環境を整えた上で住居を重視する、つまり、自分達が住みやすいような環境にするといことが根幹です。

 宮崎県日南市の「油津商店街」の商店街の考え方は、「商売としての再生」ではなく「新しい価値観をつくることによる再生」、いってしまえば、商店街から「商売の場所」という概念を取っ払ったものでした。
 一方、「高松中央商店街」は商店街活性化を目指すのではなく、既存のインフラが整った場所でコストをあまりかけず、如何にして充実した生活を実現するかを追求しました。

 どちらにも共通するのは『まちの魅力を高める』ことです。
 まちは絶えず変わりゆくもの。先人達が築いたまちを、次代に受け継いでいくために我々は、将来につながる道筋をつくっていかなければなりません。だからこそ、「まちづくりに終着点はない」のです。

 ちなみに、前述の私の中央大学硬式野球部時の親友は、高松のまちをこれからもいいまちであってほしいという思いでセキュリティの仕事をしている「四国警備保障株式会社」の代表取締役社長です。

高松へのドライブご当地グルメは、うどん県としての期待を裏切らない「讃岐うどん」攻めに遭うのもよし、鶏の骨付きもも肉を塩とコショウとニンニクで下味付けした「骨付鳥」にかぶりつくのもよし!

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

平成30年5月4日 多摩源流まつり(山梨県小菅村)
平成30年5月26、27日 美味い都市「津ぎょうざ小学校」合同合宿(津市)
平成30年6月2日 2018年度第43回東海大学高等学校連合会in山梨(甲府市)
平成30年6月19日 甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊創設10周年記念式典

Posted by

土橋 克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

  • twitter SHARE
  • facebook SHARE
  • googlePlus SHARE