VOL.23 開拓者精神が息づく八ケ岳の麓・北杜市が熱い!!

よく聞かれるのが、「山ばかりなのに、なぜ山ナシ(山梨)県?」
 確かに、我が国のベスト3の標高を誇る富士山・北岳・間ノ岳を県域に持つ山ありあり県。
 山梨県の語源は2つの説があるようです。
 一つは、甲斐国に山ナシの木が多かったからという説。もう一つは、国司の役所が平地(山の無い平らな土地)にあったからという説です。

 今回ドライブするのは、山ナシの杜(もり)からという意味をこめて命名された『北杜市』です。
 山梨県の北西部に位置し、長野県南部と隣接する北杜市は、八ヶ岳、南アルプス山脈、奥秩父山塊といった山々に囲まれ、南には富士山を望むこともできます。
 予断ですが、私の一番好きな山は、北杜市と長野県伊那市にまたがる「甲斐駒ケ岳」。全国には、駒ケ岳を名乗る山が20以上あるそうですが、その中で最も高いのが「甲斐駒ケ岳」です。南アルプスの山に多い水成岩ではなく、マグマが冷え固まった花崗岩の山なので、険しさの中に、雪の山のような白さが目立つ勇壮なたたずまいをしています。

 さて、市域のおよそ3分の1が山岳高原地からなる北杜市は、その自然美を愛でる高原観光によって支えられています。市内には牧場やアウトレットモールといった観光スポットをはじめ、ミネラルウォーター生産日本一を誇る本県の清流によるウイスキー製造、日本一の日照時間が育てたおいしい農産物などが自慢です。

 昔ながらの田園風景を眺めながらのドライブもおつですが、白州町にある台ヶ原宿は甲州街道の宿場で、「日本の道百選」にも選ばれています。
 この素朴な街並みの一角には、風情ある100年企業のツートップ「七賢」と「金精軒製菓」があります。台ヶ原宿が宿場の面影を今もなお残している背景には、この2社の存在はもちろん、そこに住まう人々が時代に流されず、地に足をつけ継承してきた思いがあります。

 まずは、創業1750(寛延3)年の蔵元「七賢」。 
 成分のおよそ8割が水という日本酒。そのおいしさの真髄は水にあることから、「白州の水をいかに酒に表現していくか。この環境を最大限に生かすことが、世界で七賢にしが出来ない酒造りとなる」と、醸造責任者は語っています。口に含んだときの潤いと爽快さと心地よさが七賢の真骨頂。伝統を継承しながらも、日々白州の水と対峙し新しいアイデアを具現化していく日本酒はいかがですか。

 続いては、創業1902(明治35)年の「金精軒製菓」。
 「信玄餅」という全国的に有名な、山梨を代表する和菓子の商標を持っています。こだわりは、一つ一つが手作業であることと、防腐剤や人工甘味料を一切使用していないこと。その代わり大量生産はできません。「信玄餅」というと、「桔梗屋」の「桔梗信玄餅」を連想される方も多いでしょうが、「信玄餅」については長年、2社それぞれが丹精込めて作り続けた結果、山梨の域を飛び越え、全国有数の和菓子に成長を遂げました。

 中でも、金精軒製菓が夏限定で販売する水菓子「水信玄餅」は北杜市の風物詩です。これを目当てに全国からたくさんの観光客が来店し行列を作っています。水を寒天で固めただけのシンプルなものですが、形が崩れるため車での運搬はできず、常温にさらすと寒天がしぼんで日保ちしないことから、作ったその日にその場でしか食べられないご当地水菓子なのです。
 是非、プルプルの「水信玄餅」はいかがですか。

 実はこの北杜市には、40歳以上の方ならば知っている「清里」という、かつては軽井沢と同じくらい有名だった避暑地があります。当時はタレントショップが乱立し、「高原の原宿」とまで呼ばれました。しかし今はすっかり寂れ、清里の駅前で営業している店はごくわずか。廃墟の街と言ってもいいくらいの状況です。

 そもそも清里は、「anan」や「non-no」などの雑誌のブームによってのし上がった具象。自らが造り上げたものではなく、何もかもが異常な流行に乗って、造り上げられたものです。

 今の清里こそが本当の清里。本物だけが残った清里であり、県民が知る姿です。
 清里の開拓者のポールラッシュ博士の「清泉寮」。
 高冷地農村の自立のための公益財団法人「キープ協会」。
 そして、ポールラッシュ博士の言葉や思想を脈々と継承する観光庁観光カリスマ百選の「北杜のスーパーマン」こと船木上次氏率いる「萌木の村」。

 その萌木の村内にある「ROCK」は、昨年の8月8日の火災により46年の歴史ある建物と、併設していた地ビール醸造所を焼失してしまいました。
 しかし、このピンチを救ったのもやはり開拓者精神でした。復活を望む住民やファンからの義捐金と応援の声に呼応し、舩木氏は「石を手で開く」開拓という言葉を見つめ直したといいます。「開拓者精神こそ、現代の日本人が忘れてしまった大切なエッセンスだ」と自らを奮い立たせ、急ピッチで再建。今年4月に新店舗でのプレ営業をスタートし、6月9日の「ロックの日」にグランドオープンを迎えました。

 「挑戦しなければ、楽しいことなんてない」。
 船木氏は毎回、こう筆者に伝えてくれます。
 
 開拓者精神という思想が風景の如く溶け込んで受け継がれ、この土地の新たな価値観を育て続ける「北杜市」にドライブです!!

 番外編として、やはりこの地の開拓者精神から生まれたであろう食品スーパー「ひまわり市場」を紹介します。
 「熱すぎる店内POPを出すスーパー」としてネットで話題になっている同店。その一例を紹介しますと「大手メーカーの職と安定を投げ打ち家業を継いだ男の鮮度と執念の朝とれニジマス220円」「いいか、よくお聞きなさい。男と女とブラウニーは見た目じゃないんだ。中身が大事なんだよ!このチョコブラウニーはメチャ旨い。切り落としブラウニー224円」。
湘南育ちの那波秀和社長だからこそ、外部の目からこの土地の価値に気付き、それを住民に伝えたいという思いを店づくりに反映させています。POPは作り手が、確固たる決意で育てているものを伝えるための魂そのものです。

 この那波氏の思いのこもったPOPはこれからも続きます。
 筆者は、「ひまわり市場」を食品スーパーでなく美術館だと思っています。「相田みつを美術館」のような言葉で人を引き付ける場所なのです。
 最後に、那波氏直々に「北杜市」のPOPいただきました。

自然も野菜も人間も。
何もかもが熱く強くそして優しい。
まさに住みごたえ溢れる北杜市
強くなければ生きていけない。
優しくなければ生きていく資格がない。
そんな北杜市

※写真提供:北杜市・萌木の村

【その他の北杜市の観光施設】
・サントリー白州蒸留溜所・サントリー天然水白州工場
・まきば公園
・白州・尾白の森名水公園べるが
・リゾナーレ小淵沢
・山梨県フラワーセンター・ハイジの村
・名水「三分一湧水」
・おいしい学校
・平山郁夫シルクロード美術館、中村キース・へリング美術館
ほか

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

平成29年8月19日、20日 第4回 為球山杯(甲府市)
平成29年8月26日 第33回全国自治体学研究会in甲府大会(パネラー)
平成29年9月2日 第6回 やまぼこ探検隊in富士北麓の歴史を探れ(山梨県鳴沢村)
平成29年9月16日、17日 明石市表敬訪問(兵庫県明石市)
平成29年9月24日 千葉ロッテマリーンズ井口選手引退試合(千葉市)
平成29年10月1日 サオリーナアリーナーオープニングイベント(津市)
平成29年10月7日、8日 津祭り(津市)
平成29年11月4日、5日 ひたちなか産業フェアー(茨城県ひたちなか市)
平成29年11月11日、12日 美味い都市盟約事業「甲府市民津ツアー」(津市)
平成29年11月18日、19日 2017西日本B-1グランプリin明石(兵庫県明石市)


Posted by

土橋 克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

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