【奈良・十津川村ドライブ】夏の家族旅行は「わくわく歴史探索」と「ドキドキの絶景」で思い出作り

Ⓒ春日大社

奈良県の最南端に位置し、歴史と自然が息づく十津川村。紀伊山脈の奥にひっそりと佇む山深い村で、林業が盛んな地域としても知られています。春日大社の荘厳な社殿に触れ、谷瀬の吊り橋でスリルと絶景を楽しんだ後、自然豊かな十津川温泉で旅を締めくくる。奈良市から十津川村まで、歴史と自然、そして温泉にふれながら心が満たされる、親子ドライブにぴったりのコースをご紹介します。

神秘的な自然に囲まれた世界文化遺産 / 春日大社・春日大社国宝殿

Ⓒ春日大社

春日大社は全国に3000社ほどある春日神社の総本社で、世界遺産に登録されている名社です。奈良時代の神護景雲2年(768年)に、称徳天皇の勅命により御本殿が造営されたといわれています。
春日大社の背後には神域として守られてきた御蓋山（春日山）がそびえ立ち、境内は原生林に覆われた神秘的な雰囲気。鳥居をくぐると、森の中に朱塗りの社殿が立ち並ぶ様子を見ることができます。境内には本社以外にも神社があり、縁結び・夫婦円満などのご利益がある夫婦大国社も人気スポットのひとつです。また春日大社には、所有する国宝354点および重要文化財2526点を展示する美術館「春日大社 国宝殿」があります。春日大社の本殿を参拝後は国宝殿に立ち寄り、日本の歴史や文化について学びを深めてみましょう。

春日大社 春日大社 国宝殿の詳細

住所 奈良県奈良市春日野町160 　営業時間 春日大社 6:30〜17:30　春日大社 国宝殿 10:00～17:00（入館は16:30まで） 　駐車場 有料駐車場あり 　URL https://www.kasugataisha.or.jp/ 　

江戸時代の町家が軒を連ねる/五條市五條新町伝統的建造物群保存地区

春日大社 国宝殿で重要文化財について学んだ後は、京奈和自動車道を通って五條市へ。50分ほど車を走らせると、五條市五條新町伝統的建造物群保存地区に到着します。
平成22年（2010年）、国の重要伝統的建造物群保存地区（重伝建地区）に選定された五條市五條新町伝統的建造物群保存地区は「五條新町通り」とも呼ばれる、歴史的な建物が多く残る保存地区です。江戸時代に二見城の城下町として成立し、商人の町や宿場町として繁栄しました。
五條新町通りの見どころは、旧紀州街道に沿って一直線に立ち並ぶ伝統的な建造物です。城下町は戦に備えるために、複雑で入り組んだ町並みをしていることが多くあります。五條新町のような一直線の町並みは、あまり見ることができない珍しい構造だそうです。地区内には国の重要文化財で建築年代が明らかな民家では日本最古とされている慶長12年（1607年）の棟札を持つ栗山家住宅（非公開）があります。江戸時代初期から昭和戦前までに建てられた、400年を超える時代を感じる建物を観察しながら町並みを散策すると、昔にタイムスリップしたかのような不思議な感覚を味わえるはず。食堂やカフェなど、点在するお店にも立ち寄ってみてください。

五條市五條新町伝統的建造物群保存地区の詳細

住所 奈良県五條市本町2丁目7−1（五條市新町まちなみ伝承館） 　駐車場 五條市新町まちなみ伝承館駐車場 / 吉野川水辺の楽校（河川敷公園）駐車場 　URL https://www.city.gojo.lg.jp/soshiki/bunka/1_1/1/3116.html 　

UFOのような建物が目印　/ 道の駅 吉野路大塔

五條新町通りを散策した後は、大川橋を渡り国道168号線を通って道の駅 吉野路大塔へ向かいます。新天辻トンネルを抜けてしばらく進むと現れる、UFO型の建物が目印です。
道の駅 吉野路大塔は、五條市大塔町の特産品や工芸品、観光情報などを扱う総合案内センターです。売店にはジビエやよもぎ餅、梅干、かきもち、大塔特産の山の幸などが販売されています。道の駅 吉野路大塔は、天文台やプラネタリウム、宿泊施設、温泉、郷土館などの複合施設「大塔コスミックパーク星のくに」に隣接しています。また郷土館では大塔町の歴史の展示や郷土料理の提供を行っています。旅のお土産を選んだり、郷土料理でお腹を満たしたりと、ドライブ途中の休憩スポットとして立ち寄るのがおすすめです。

道の駅 吉野路大塔の詳細

住所 奈良県五條市大塔町阪本225-6 　営業時間 9:00～17:15 休館日/毎週水曜日 　駐車場情報 無料駐車場あり 　オフィシャルサイト https://gojo-ltc.com/biz_item/michinoeki/ 　

スリル満点！勇気が必要な空中散歩 /谷瀬の吊り橋

道の駅で一息ついた後は、25分ほど移動して谷瀬の吊り橋へ。周辺に広がる緑を楽しみながら、折れ曲がる山道を進みます。
谷瀬の吊り橋は、昭和29年に架けられた長さ297m・高さ54mの、生活用途の吊り橋としては日本一長い橋として知られています。当時、洪水に強い橋をつくるために、地元民がお金を出し合ってつくられました。現在は十津川村を代表する観光名所として親しまれています。谷瀬の吊り橋の魅力は、絶景の中で味わうどきどきの体験。揺れる橋に歩を進めると、まるで空中を散歩しているような感覚に包まれます。吊り橋を渡り切るのは勇気が入りますが、眼下を流れる十津川や切り立つ山々の美しさは別格です。

谷瀬の吊り橋の詳細

住所 吉野郡十津川村上野地65-2 　料金 無料 　営業時間 通行自由 　駐車場 有料駐車場あり 　URL http://totsukawa.info/joho/kanko/ 　

源泉かけ流し宣言、ほんまもんの温泉 / 十津川温泉郷

Ⓒ十津川村

十津川村ドライブの後は、十津川温泉郷で宿泊して、旅の疲れを癒すのもおすすめです。
十津川温泉郷とは、十津川村にある温泉地「湯泉地温泉」「十津川温泉」「上湯温泉」の3つを総称した名前です。山のふもとに民宿や旅館が点在しており、静かな自然の風景と上質な温泉を楽しむことができます。十津川温泉郷は、2004年に全国ではじめて「源泉かけ流し宣言」をしたことで知られています。すべての温泉宿で源泉から湧き出したお湯をそのまま使用しており、お湯の循環や再利用などを一切行っていません。湯泉地温泉・十津川温泉・上湯温泉はそれぞれ異なる泉質を持っており、湯泉地温泉はアルカリ性単純硫黄泉、十津川温泉はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉、上湯温泉は含硫黄ナトリウム炭酸水素塩泉です。泉質や温泉地の特徴を見ながら、宿泊する宿を選ぶ時間も楽しめるはず。

十津川温泉郷の詳細

URL https://www.vill.totsukawa.lg.jp/traveling_guide/onsen_gou/ 　

＜まとめ＞

国道168号沿いの山間ルートを使い、古都奈良から山あいの秘境十津川村までのドライブコースを紹介しました。道中の景色や歴史を楽しめるのがこのルートの魅力。最終地点の十津川村には、今回ご紹介した場所以外にも、十津川村の豊かな自然が満喫できるスポットがたくさんあります。日帰りだけでなく、一泊して翌朝ものんびりと過ごしながら、山あいの静かな時間をたっぷり楽しんでみてはいかがでしょうか。