COLUMN

土橋克己の「地方見聞録」

富士市の特命全権大使「富士つけナポリタン大志館」が熱い!!!

 世界遺産とは、過去から引き継がれてきた人類共通の遺産を、国際的に協力しあって保護・保存していこうという、「世界遺産条約」に基づく「世界遺産リストに登録されている物件」のことで、現在日本では、13件の世界文化遺産と4件の世界自然遺産が認定されています。
 
 とかくマスメディア様などで、富士山はどっちのものと、山梨県民と静岡県民が言い争っているような報道がされますが、当の両県民は、保護と適正な利用のもと、国民の財産として、更には世界に誇る日本のシンボルとして後世に引き継ぐために、共に取り組んでいます。

 平成20年には、全国で唯一、複数の運輸支局をまたいだご当地ナンバー「富士山ナンバー」が交付されました。交付対象区域は山梨側が1市2町4村、静岡側が4市2町。富士山周辺地域における地域振興、観光振興、地域の一体感を醸成するためのシンボルとなっています。

 さて、山梨、静岡の関係における国民の皆様の誤解が解けたところで(笑)。今号では静岡県富士市を紹介します。
 市制執行は1966年。今年50周年(ちなみに甲府市は127周年)を迎える比較的若い都市ですが、富士山の伏流水など水資源が豊富なこと、また大消費地である首都圏と高速交通網で結ばれている地の利を生かし、当時の大昭和製紙本社工場や王子製紙など多数の製紙工場で栄え、全国有数の「紙のまち」となりました。現在では、人口25万人弱(甲府市は19万5千人弱)の静岡県第3の都市であります。

 同様に今年50周年を迎える「田子の浦港」の開港により、幅広い業種の工場が立地し、工業都市として経済を支えています。富士市民にとっては日常的なありきたりな風景に写る‘夕暮れ時から工場に灯される輝き’の工場夜景は、富士山との共演も魅力で、富士市の新たな観光資源として注目されています。

 その工場夜景にセットでお薦めなのが1949年に開業した岳南電車です。
 あっ!!!皆さま、富士市まではドライブニッポンですよ(笑)

 この岳南電車は、昭和の趣を残すローカル線で、始点から終点まで全10駅の総距離は9.2キロ。片道約20分をかけて、住宅街や工場地帯を縫うように進みます。車窓から見え隠れする富士山を眺めるもよし、ガタンゴトンと心地よい揺れに身を任せるもよしでありますが、日没後にもドラマがあるのです。

 2014年7月に鉄道本体としては初めて、民間団体が選ぶ「日本夜景遺産」に認定されました。毎月第2、4土曜日に運行される「夜景列車」は、後ろの1両の車内灯を消すことで、沿線の夜景を楽しむことができる仕掛けです。闇夜に浮かぶ工場地帯。その幻想的な明かりが乗客を魅了しています。

 漁業も富士山の恩恵に授かっています。
 南の海から黒潮に乗り、日本一の深さを誇る駿河湾にやってくるイワシの稚魚たちは、魚体が透明なことから「しろす(白子)」と呼ばれます。富士山の雪解け水や山の栄養を豊富に含んだ水が流れ込む田子の浦港で水揚げされた滋味豊かな水揚げしらすは「田子の浦しらす」とうたわれ、ご当地グルメとして人気を誇っています。

 自慢はなにより、抜群の鮮度。
 田子の浦の漁法は、漁師の意地とプライドで、あえて効率の悪い一艘の船で曳いています。漁を短時間で行い、大量の氷で瞬時にしめるとすぐに帰港して水揚げすることで、鮮度が落ちやすいしらすを獲れたてピチピチ、プリップリの状態で味わうことを可能にしています。

 この「田子の浦しらす」を地域おこしに活用できないかと、田子の浦漁港の組合長を中心となり、かつては「ダンプ街道」と呼ばれ、観光とは縁遠かった田子の浦エリアを「富士山しらす街道」として観光化プロジェクトを実施。中心となる「田子の漁港」では、毎朝、「田子の浦しらす」の水揚げが終わるとセリ場がきれいに掃除され、椅子とテーブルが並べられて「田子の浦漁港食堂」が開店します。
 市場勤務の長かった私からすると、一般立ち入り禁止のセリ場を開放することは革命としか思えません。素晴らしい英断であります。

 「田子の浦しらす」のように、産地としてのご当地グルメの他にも、近年脚光を浴びているのが「富士つけナポリタン」。濃厚なトマトスープに鶏がらを合わせたWスープに、とろけるチーズや鶏チャーシューなどをトッピング。それに駿河湾で水揚げされた桜えびをからめ、富士山の伏流水を使った特製麺をつけてズズッといけば、口いっぱいに旨みが広がる逸品です。

 この「富士つけナポリタン」は、シャッター街に悩む吉原商店街の皆さんによる、まちおこしを目的にしたご当地グルメの対決がはじまり。その企画をお手伝いしたのが、テレビ東京さんのTVチャンピオン。その対決から新しいご当地グルメとして2008年に誕生しました。

 実は皆さん、ご当地グルメとして新たに根付かせることは本当に難しいことなのです。

 私の愛する甲府のご当地グルメ「甲府鳥もつ煮」のように、戦後まもなくある店で生まれ、長らくその味が住民に認められ愛されたものが、ご当地グルメとして根付くのとは違い、当初から民意がないご当地グルメを根付かせることは大変です。

 その難儀な大役を特命全権大使となりPRする市民活動団体が、「富士つけナポリタン大志館」です。
 何故に大使館でなく、「大志館」なのか聞いたわけではありませんが、その名の如く「富士市を元気にしたい」という大きな志の下に集まった集団であるからと思われます。

 大志館のメンバーは、自らのプライベートをまちのために削り、まちを輝かせるために汗をかいています。その思いに呼応するかの如く、当初は「富士つけナポリタン」を遠巻きに眺めていた市民の皆さまも関心を深め、おらがまちのご当地グルメとして認知し始めました。今では市民が守り、発信するご当地グルメとなり、富士市のご当地グルメとして確固たるものとなりました。

 大志館の志はとどまることを知りません。自分たちのまちを愛する熱い仲間たちを集め、ご当地グルメをきっかけとして地元に来てもらい、地域ブランドを高めることにつなげる「2017東海・北陸B‐1グランプリin富士」を、富士市の協力もあり来月11日・12日に開催することになりました。

この「B‐1グランプリ」をきっかけに、多くの方が富士市を訪れてくれることでしょう。大志館のPR活動は、「ひとづくり」「ひとおこし」にまでつながってきております。
 人が変わりまちが変わる富士市にドライブしませんか?
 いつも大変お世話になっている日本一の紙のまち富士市の、穴を拭きに(笑)
のイメージ写真

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

平成29年1月21、22日 津市
平成29年1月28日 スクラム甲府スポーツアカデミー
平成29年2月2日 宇都宮市
平成29年2月4、5日 千葉方面視察
平成29年2月11、12日 2017東海・北陸B‐1グランプリin富士(静岡県富士市)
平成29年2月25、26日 勝浦ビック雛祭り等

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土橋克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

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土橋克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

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