COLUMN

土橋克己の「地方見聞録」

時代は巡る!先人が遺した遺産こそ観光資源

 『壊してしまうのは 一瞬で出来るから 大切に生きてと 彼女は泣いた』
 このフレーズは、著者と同時代人もしくは一回り上の世代であれば、多くの人の印象に強く残っていると思います、昨年8月にライブで復活を遂げたレベッカの名曲「moon」の歌詞です。

 中心市街地の衰退と都市コミュニティーの崩壊が大きな問題となっている中、1つの特効薬となっているのが、「moon」の歌詞にあるように「あるものを大切に活かす」歴史を活かしたまちづくりです。

 かつて商店街活性化のモデルとして取り上げられた、アーケード街やモール化というものは、昭和30年代後半から始まった高度経済成長、自動車の大衆化による道路事情の変化、生活様式の欧米化などに伴って商業形態が変化したことにより、大量の製品を明るく展示販売するために整備されました。蔵造りなど町家の店内は暗く不便だったため、全国的に取り壊しが相次ぎ、かろうじて残ったものも、近代化という名のもとで姿を消していきました。古き良き建物は活かされることなく、「古くさい」と一括りにされ、時代から取り残されるような扱いを受けたのです。

 実は、世界観光ランキングで毎年1位となっていますフランスの首都パリにおいても、壊してしまってから後悔した建物が数限りなくあり、今になって「遺しておけばよかった。あの時代の記憶がそのまま遺っていたのに」ということがいくつかあるそうです。
 その一方、遺そうとしたわけではないのに、自然に遺ったというものがあります。今日では、それがパリの重要な観光資源となっております。そのようにパリではあまり再開発をしないうちに遺ってしまい、気がつくと観光スポットになっていた例がたくさんあります。

 話を我が国に戻しますと、日本各地には多くの歴史を伝える景観資源があります。これらは歴史・生活を感じさせるもの、地域に根づき〝地域の顔〟となっているもの、愛着を感じさせる〝地域の誇り〟となっているものなど、様々な価値を持っています。そのまちの個性を活かした魅力あるまちと景観をつくっていくために、歴史的な景観資源はなくてはならないものです。歴史的な景観資源を守り、美しいまち並みづくりに活用している都市を次のとおり北から挙げさせていただきます。

【筆者の私見都市】
○山形県金山町  ○福島県会津若松市  ○茨城県真壁町  ○千葉県香取市  ○長野県小布施町  ○三重県上野市  ○岡山県倉敷市  ○大分県豊後高田市

【明日香法として】
○奈良県明日香村

【古都保存法指定都市として(明日香法除く)】
○神奈川県鎌倉市、逗子市  ○滋賀県大津市  ○京都府京都市  ○奈良県奈良市、天理市、桜井市、橿原市、斑鳩町

【歴史まちづくり法認定都市として(古都保存法指定都市除く)】
○青森県弘前市  ○宮城県多賀城市  ○山形県鶴岡市  ○福島県白河市、国見町  ○茨城県水戸市、桜川市  ○群馬県甘楽町  ○埼玉県川越市  ○神奈川県小田原市  ○富山県高岡市  ○石川県金沢市  ○長野県長野市、松本市、東御市、下諏訪町  ○岐阜県岐阜市、高山市、恵那市、郡上市、美濃市  ○愛知県名古屋市、犬山市  ○三重県亀山市、明和町  ○滋賀県彦根市、長浜市  ○京都府宇治市、向日市  ○大阪府堺市  ○島根県松江市、津和野町  ○岡山県津山市、高梁市  ○広島県尾道市、竹原市  ○山口県萩市  ○徳島県三好市  ○愛媛県大洲市  ○高知県佐川町  ○福岡県太宰府市、添田町  ○佐賀県佐賀市  ○熊本県山鹿市  ○大分県竹田市  ○宮崎県日南市

 都市は多様な文化、活動の集積の場です。その時間と空間を使いこなし、見事なまでに持続的なまちづくりの取り組みがなされている、素晴らしい上記都市のまちなみを見に、Drive! NIPPONしませんか?

 今の地方都市にとって大切なのは、大都市に流され、安易に多額な投資で再開発をしないことかもしれません。
 時代様式は移り変わり、それによって今の最新流行は次の時代の時代遅れになる。しかし、ロングスパンで見た場合には、今の最新流行が近い将来、時代遅れになっても、もう一回最新流行になる可能性もあります。
 例えば、甲府市に残る路地横丁。一度、時代遅れとなり、廃れそうになりながらも再び、私達の市民活動『甲府ん!路地横丁楽会』の活動により、脚光を浴び始めています。狭く、レトロな店構えと、店主や常連客との濃厚な付き合い。これが今の時代の人たちには目新しく、魅力的な空間となっているのです。

 世は循環するもの。筆者も身をもって体験しているのが、現在のヘアースタイル「ツーブロック」です。今から20年前、私が大学3年生のときに流行ったスタイルが時を越えて流行になる。また、バブル全盛の私が中学の時に流行ったケミカルウォッシュ・・・一生着ることはないと笑ったものですが、近年、原宿のティーン層を中心に人気になっているとか。流行は循環するという当たり前の話になっているのです。

 そのことから、再開発する場合は、過去の遺産というものを遺しつつ、それを偲ぶことができるような手法がベストだと考えています。

 それは、時代遅れになっても次の流行がめぐってくるまで待つ、という考え方かもしれない。そう日本のことわざ『石の上にも三年』のように。
今回の写真は、甲府駅南口駅前の大通りを少し進むと、商店街のあいだから突然姿をあらわす威厳ある建造物「山梨県議会議事堂」、「山梨県庁別館」です。のイメージ写真

今回の写真は、甲府駅南口駅前の大通りを少し進むと、商店街のあいだから突然姿をあらわす威厳ある建造物「山梨県議会議事堂」、「山梨県庁別館」です。

今後の土橋の見聞予定地及びイベント出展予定

1月10、11日 三重県津市(津ボートレース×B-1グランプリ)
1月16日 埼玉県行田市(愛Bリーグ関東・甲信越支部総会)
1月30、31日 千葉方面(視察)
1月30、31日 千葉県香取市(B-1グランプリ公認イベント)
2月6、7日 新潟方面(視察)
2月13、14日 愛媛県今治市(ABCまちおこしイベント×B-1グランプリ)
2月20、21日 静岡県富士市(吉原まるごとフェスタ2016×B-1グランプリ)
3月5日 サッカーJリーグデビジョン1 ヴァンフォーレ甲府ホーム開幕戦出展

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土橋克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

【土橋克己フェイスブック】
https://www.facebook.com/katsumi.dobashi
【甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊ホームページ】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
【甲府ん!路地横丁楽会フェイスブックページ】
https://www.facebook.com/kofunrojiykocho?fref=nf

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土橋克己/山梨県甲府市役所職員

1973年生まれ、甲府市出身。中央大学商学部(硬式野球部)卒業。甲府市役所に勤務する傍ら2008年、「甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊」結成。10年、ご当地グルメによるまちおこしの祭典「B-1グランプリin厚木」で最高賞のゴールドグランプリ獲得。11年、NPO法人こうふ元気エージェンシー設立。2014年、「甲府ん!路地横丁楽会」を立ち上げ、甲府市中心街の路地―横丁文化の魅力を発信する活動に取り組む。

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http://www7b.biglobe.ne.jp/~torimotsu/
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